○いなべ市境界確認実施要領

令和2年11月9日

告示第125号

(趣旨)

第1条 この要領は、市有土地に係る境界確認の手続きについて、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 境界確認 市有土地と申請地との境界について、市長、申請者及び利害関係者が協議してこれを定め、書面をもって明らかにすることをいう。

(2) 市有土地 道路、河川及び法定外公共物をいう。

(3) 道路 道路法(昭和27年法律第180号)第8条第1項の規定により、市長が認定した道路をいう。

(4) 河川 河川法(昭和39年法律第167号)第100条第1項の規定により、市長が指定した準用河川をいう。

(5) 法定外公共物 いなべ市法定外公共物管理条例(平成15年いなべ市条例第123号)第2条に規定する法定外公共物をいう。

(6) 申請者 市有土地との境界確認をしようとする者をいう。

(7) 利害関係者 境界確認に係る土地の所有者、公物管理者等、市長が境界確認に必要と認める者をいう。

(8) 申請地 市有土地と境界確認をしようとする土地をいう。

(9) 隣接地 市有土地に隣接する(点接を含む。)土地をいう。

(10) 対側地 隣接地のうち、市有土地を挟んで申請地と相対する土地をいう。

(11) 立会協議 市、申請者及び利害関係者が、現地において境界点及び境界線について協議することをいう。

(申請者の要件)

第3条 申請者は、申請地の所有者とする。ただし、次の各号に掲げる場合は、当該各号に定める者を申請者とする。

(1) 申請地の所有者が法人である場合 当該法人の代表者

(2) 申請地の所有者が法人であり、解散、破産等している場合 当該法人の清算人又は管財人

(3) 申請地の所有者(登記名義人)が死亡している場合 当該登記名義人の法定相続人

(4) 申請地の所有者が未成年者、成年被後見人、被保佐人及び民法第17条第1項の審判を受けた被補助人である場合 その法定代理人

(5) 申請地が信託財産である場合 委託者及び受託者の両者

(申請の特例)

第4条 市有土地と境界確認をしようとする者が、次の各号に掲げる場合は、当該各号に定める者を申請者とすることができる。

(1) 都市計画法に基づく開発行為等を行おうとする場合 当該開発行為等の対象地の所有者の委任を受けた施行者

(2) 国、地方公共団体その他の市長が認める公的機関が公共事業を行おうとする場合 当該公共事業の施行主体である官公署の長

(3) いなべ市が公共事業の施行者となる場合 当該事業を担当する所属長

(境界確認申請)

第5条 申請者は、市有土地との境界確認をしようとするときは、境界確認申請書(様式第1号)次の各号に定める書類を添付し、市長に提出するものとする。

(1) 位置図(縮尺1/50,000~1/10,000)

(2) 案内図

(3) 不動産登記法第14条に規定する地図

(4) 申請地の全部事項証明書

(5) 隣接地の所有者一覧表(登記事項要約書等)

(6) 申請地及び隣接地の地積測量図

(7) 参考資料(実測平面図、現況写真等)

2 申請者は、前項に掲げるもののほか、次の各号に掲げる場合は、当該各号に掲げる書類を添付するものとする。

(1) 申請地の所有者が法人である場合 当該法人の登記簿謄本又は登記事項証明書

(2) 申請者が相続人である場合 相続人であることを証する書類

(3) 申請者が法定代理人である場合 法定代理人であることを証する書類

(4) 申請地が信託財産である場合 信託原簿の写し

(5) 代理人が境界確認の事務を行う場合 委任状

(事前調査)

第6条 市長は、前条による境界確認申請書の提出があったときは、その内容について審査をするとともに、必要に応じて既存資料の収集及び現地調査を行うものとする。

2 申請者は、既存資料の収集及び現地調査を行い、現地における境界案を明示の上、当該境界案に基づく仮測量図を市長に提出するものとする。

(立会協議)

第7条 市長は、必要があると認める場合は、申請者に立会協議を求めることができる。

2 立会協議は、原則として市長、申請者及び利害関係者の全員の出席により行うものとする。ただし、やむを得ない事情により欠席する者があるときは、申請者は欠席者と別途協議を行うものとする。

3 立会協議を行うときは、申請者は事前に日時等を調整し、市長及び利害関係者に連絡するものとする。

4 申請者は、立会協議を行ったとき又は利害関係者と個別に立会を行ったときは、立会者名簿を作成し、市長に提出するものとする。

(経過報告書の作成)

第8条 市長は、前2条により確認した申請地と市有土地との境界について、その内容を記録した経過報告書を作成するものとする。この場合において、原則として次の各号に掲げる事項を記載するものとする。

(1) 境界確認の対象となった市有土地の種類

(2) 境界の根拠又は参考とした資料、証言及び見解

(3) 現地における境界点及び境界線の位置

(境界確認の合意)

第9条 申請者は、市長及び利害関係者と境界確認が合意に達したときは、境界確定書及び境界確定図(以下「境界確定書等」という。)を作成し、原則として2部市長に提出するものとする。この場合において、境界確定書等の形式は、次の各号に定めるものとする。

(1) 申請者及び利害関係者の署名、押印及び割印をしたものとする。

(2) 境界確定図は、申請地及び隣接地の位置関係を明確にし、境界点、引照点、基準点等の座標一覧表、境界標の種類、作成年月日及び作成者氏名を記載したものとする。

(3) 申請地については、所有者全員が実印を押印し、印鑑登録証明書(法人の場合は印鑑証明書)を添付するものとする。

2 市長は、前項による境界確定書等の提出があった場合は、速やかにその内容を精査し、適当と認めたときは、公印を押印し、1部を申請者に交付するものとする。

(相続人及び共有者の同意)

第10条 申請者は、境界確認の合意において、隣接地に相続人又は共有者があるときは、当該土地の権利を有する者全員から同意を得るものとする。ただし、全員から同意を得ることが困難であるときは、相続人代表届(様式第2号)又は共有者代表届(様式第3号)を市長に提出し、当該隣接地の代表者と合意することができる。

(対側地所有者の同意)

第11条 申請者は、境界確認の合意において、対側地所有者の同意を得るものとする。ただし、次の各号に掲げる場合は、これを省略することができる。

(1) 対側地について、土地区画整理事業若しくは土地改良事業による換地処分又は地籍調査事業による登記が完了し、当該事業に基づく境界標の確認又は境界点の復元ができる場合

(2) 対側地について、地籍調査事業による一筆地調査(現地立会)が完了し、当該調査に基づく境界標の確認又は境界点の復元ができる場合

(3) 対側地について、過去に境界確認が行われており、当該境界確認に基づく境界標の確認又は境界点の復元ができる場合

(4) 市長が、既存資料及び市有土地の現況を勘案して、対側地所有者の同意を省略することが適当であると認める場合

(境界確認の特例)

第12条 申請者は、次の各号に掲げる場合は、当該各号に定める者の境界確認の合意を省略することができる。

(1) 不動産登記法(平成16年法律第123号)第143条第1項の規定により、筆界特定がされた筆界がある場合 筆界特定書及び筆界特定図面の写しを添付することにより、当該筆界に隣接する利害関係者

(2) 筆界を特定するに足る客観的な資料が存在する場合 筆界を特定する資料を添付することにより、当該筆界に隣接する利害関係者

(境界確認申請の却下及び取下げ)

第13条 市長は、次の各号に掲げる場合は、境界確認申請を却下し申請者に境界確認申請書を返戻するものとする。ただし、申請者が第4条第1項第2号及び第3号に該当するときは、この限りではない。

(1) 申請地において、所有権の帰属、境界等の係争中である事が判明した場合

(2) 申請地付近の法務局備付地図(公図)と現況に相違があり、位置関係が把握できない場合(地図訂正を前提とした境界確認申請である場合を除く。)

(3) 境界確認申請書を受理した日から6か月を経過しても立会協議が行われない場合

2 申請者は、境界確認が不要になった場合は、速やかに境界確認申請取下届(様式第4号)を、市長に提出するものとする。

(境界確認の不調)

第14条 市長は、次の各号に掲げる場合は、境界確認の不調事案とし、申請者に通知するものとする。ただし、申請者が第4条第1項第2号及び第3号に該当するときは、この限りではない。

(1) 申請者又は利害関係者と、境界確認の合意に達する見込みがないと判断した場合

(2) 立会協議を行った日から1年を経過しても境界確定書等の提出がされない場合

(3) 立会協議を省略することとした日から1年を経過しても境界確定書等の提出がされない場合

2 市長は、前項第2号又は第3号に定める期間内に、申請者から延長の申出があり、当該申出に正当な理由があると認めたときは、期間を延長することができる。

(書類の保管)

第15条 市長は、境界確定書等を経過報告書とともに永年保存文書として保管するものとする。

(境界確定書等の閲覧及び写しの交付)

第16条 申請地及び隣接地の所有者(包括承継人を含む。)又は申請地に直接利害関係を有する者は、境界確定書等の閲覧及び写しの交付を請求することができる。

2 境界確定書の付近地において境界確認申請書が提出されているときは、当該境界確認申請の申請者は、境界確認の参考資料として、境界確定書等の閲覧及び写しの交付を請求することができる。

3 市長は、前2項に定める者以外の者から境界確定書等の閲覧及び写しの交付の請求があったときは、いなべ市情報公開条例(平成15年いなべ市条例第8号)に定めるところにより交付するものとする。

(雑目)

第17条 この境界確認実施要領に定めなき事項は、市長及び申請者において、別に協議するものとする。

この要領は、令和3年4月1日から施行する。

(令和4年4月8日告示第104号)

この告示は、令和4年4月8日から施行する。

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いなべ市境界確認実施要領

令和2年11月9日 告示第125号

(令和4年4月8日施行)