○いなべ市情報公開条例

平成15年12月1日

条例第8号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 公文書の公開(第5条―第19条)

第3章 情報提供等(第20条―第23条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、市民の知る権利を尊重し、公文書の公開を請求する権利につき定めること等により、市政に対する市民の理解と信頼を深め、開かれた市政を一層推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 市長、議会、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会並びに水道事業及び下水道事業の管理者の権限を行う市長をいう。

(2) 公文書 実施機関の職員が職務遂行上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によって認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、決裁又は供覧等の手続が終了し、実施機関が現に保管又は保存しているものをいう。ただし、官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものを除く。

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、この条例の解釈及び運用にあたっては、公文書の公開を求める市民の権利を十分に尊重するものとする。この場合において、実施機関は、個人に関する情報がみだりに公開されることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

(利用者の責務)

第4条 公文書の公開を請求するものは、この条例により保障された権利を正当に行使するとともに、公文書の公開を受けたものは、これによって得た情報をこの条例の目的に即して適正に使用しなければならない。

第2章 公文書の公開

(公文書の公開を請求できるもの)

第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関の保有する公文書の公開を請求(以下「公開請求」という。)することができる。

(公文書の公開の請求方法)

第6条 公開請求しようとするものは、次に掲げる事項を記載した請求書(以下「公開請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。

(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)

(2) 公開請求に係る公文書を特定するために必要な事項

(3) 前2号に掲げる事項のほか、規則で定める事項

2 公開請求しようとするものは、実施機関が公文書の特定を容易にできるよう必要な協力をしなければならない。

3 実施機関は、公開請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求したもの(以下「請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(公文書の公開の請求に対する決定及び通知)

第7条 実施機関は、公開請求書を受理したときは、当該請求書を受理した日から起算して15日以内に、公開の請求に係る公文書を公開する旨又は公開しない旨の決定(以下「公開決定等」という。)をしなければならない。ただし、前条第3項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2 実施機関は、やむを得ない理由により前項に規定する期間内に公開決定等をすることができないときは、その期間を30日に限り延長することができる。この場合において、実施機関は、速やかに、当該延長の期間及び理由を請求者に書面により通知をしなければならない。

3 実施機関は、公開決定等をしたときは、速やかに、当該決定の内容を書面により請求者に通知しなければならない。ただし、当該決定の内容が、請求に係る公文書の全部の公開をする旨であって、請求書の提出があった日に公文書の公開をするときは、口頭により通知することができる。

4 実施機関は、前項の規定により請求に係る公文書の全部又は一部の公開をしない旨の決定(第11条の規定により公開請求を拒否するとき及び公開請求に係る公文書を実施機関が保有していないときを含む。)の通知をするときは、同項の書面に公開しない理由を記載しなければならない。この場合において、当該理由がなくなる期日をあらかじめ明示することができるときは、その期日を記載しなければならない。

5 実施機関は、公開決定等をする場合において、当該決定に係る公文書に実施機関、国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、他の地方公共団体、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)及び公開請求者以外の者(以下「第三者」という。)の情報が含まれているときは、あらかじめ当該第三者の意見を聴くことができる。

6 実施機関は、公開決定等をする場合において、次のいずれかに該当するときは、あらかじめ当該第三者の意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

(1) 第三者に関する情報が含まれている公文書を公開しようとする場合であって、当該第三者に関する情報が第9条第2号エ若しくは同条第3号ア又はに規定する情報に該当すると認められるとき。

(2) 第三者に関する情報が含まれている公文書を第10条の規定により公開しようとするとき。

7 実施機関は、前2項の規定により意見を述べる機会を与えられた第三者が当該公文書の公開に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、公開決定(部分公開決定を含む。以下この項において同じ。)するときは、公開決定の日と公開を実施する日との間に少なくとも2週間を置くものとする。この場合において、実施機関は公開決定後直ちに、当該第三者に対し、公開決定した旨及びその理由並びに公開を実施する日を書面により通知するものとする。

(公開決定等の期限の特例)

第8条 公開請求に係る公文書が著しく大量であるため、公開請求書を受理した日から起算して45日以内にそのすべてについて公開決定等をすることにより、事務の遂行に著しい支障が生じるおそれがある場合には、前条第1項及び同条第2項の規定にかかわらず、実施機関は、公開請求に係る公文書のうちの相当の部分につき当該期間内に公開決定等をし、残りの公文書については、相当の期間内に公開決定等をすれば足りる。この場合において、実施機関は、同条第1項に規定する期間内に、公開請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 本条を適用する旨及びその理由

(2) 残りの公文書について公開決定等をする期限

(公開しないことができる公文書)

第9条 実施機関は、公開請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報が記録されているときは、当該公文書を公開しないことができる。

(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定により又は実施機関が法律上従う義務を有する各大臣その他国、県の機関の指示により、公開することができないと認められるもの

(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人が識別され、又は識別され得るもの若しくは特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令等の規定により又は慣行として、何人でも閲覧できるとされている情報

 公表することを目的としている情報

 法令等の規定に基づく許可、免許、届出等に際して実施機関が作成し、又は取得した情報であって、公益上公開することが必要であると認められる情報

 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報

 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分

(3) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある危害から人の生命、身体及び健康を保護するため、公開することが必要であると認められる情報

 違法又は著しく不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある支障から人の生活を保護するため、公開することが必要であると認められる情報

 又はに掲げる情報に準ずる情報であって、公益上公開することが必要であると認められるもの

(4) 個人又は法人等から公開しないことを条件として任意に市に提供された情報であって、当該個人又は法人等の承諾なく公開することにより、当該個人又は法人等と市との信頼関係が損なわれ、将来その協力を得ることが困難になるおそれがあるもの

(5) 国又は他の地方公共団体その他の公共団体(以下「国等」という。)との間における協議、協力、依頼等に基づいて作成し、又は取得した情報であって、公開することにより、国等との協力関係又は信頼関係を損なうおそれがあるもの

(6) 市又は国等の事務事業に係る意思形成過程における審議、調査、検討等に関する情報であって、公開することにより、当該又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に支障を生ずるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

(7) 検査、監査、取締り、入札、試験、交渉、渉外、争訴、調査研究、人事等の事務事業に関する情報であって、公開することにより、当該若しくは同種の事務事業の目的が損なわれ、又はこれらの事務事業の公正又は円滑な執行に支障を生ずるおそれがあるもの

(8) 実施機関の附属機関並びにこれらに類するもの(以下「合議制機関等」という。)の会議に係る情報であって、当該合議制機関等の運営規程又は議決により公開しないことと定められているもの及び公開することにより公正又は円滑な議事運営に支障を生ずるおそれがあるもの

(9) 公開することにより、個人の生命、身体及び財産等の保護、犯罪の予防その他公共の安全と秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるもの

(公益上の理由による裁量的公開)

第10条 実施機関は、公開請求に係る公文書に前条第2号から第9号までに該当する情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、公開請求者に対し、当該公文書を公開することができる。

(公文書の存否に関する情報)

第11条 公開請求があった場合において、当該公開請求に係る公文書の存否を答えるだけで、第9条各号の規定により保護しようとする利益を害することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を示さないで、当該公文書の公開をしないことができる。

(部分公開)

第12条 実施機関は、公開請求に係る公文書に第9条各号の規定により公開しないことができる情報とそれ以外の情報が併せて記録されている場合において、これらの部分を容易に、かつ、公開請求の趣旨を損なわない程度にこれを分離することができるときは、当該公開しないことができる部分を除いて、当該公文書を公開しなければならない。

(公開の実施)

第13条 公文書の公開は、実施機関が第7条第3項の規定による通知を行う際指定する日時及び場所において行うものとする。

2 公文書の公開は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による公文書の公開にあっては、実施機関は、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。

(費用負担)

第14条 公文書の公開に係る手数料は無料とする。

2 前条の規定により、写しの交付又は規則で定める方法により公文書の公開を受けるものは、これらの作成に要する費用を負担しなければならない。この場合において、送付により公文書の公開を受ける場合にあっては、当該送付に要する費用ついても、同様とする。

(審査請求があった場合の措置)

第15条 実施機関は、公開請求に対する決定又は公開請求に係る不作為について、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定に基づく審査請求があった場合は、次の各号のいずれかに該当するときを除き、同法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の規定の弁明書の写しを添えて、いなべ市情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、その答申を最大限尊重して当該審査請求に対する裁決をしなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下するとき。

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を公開することとするとき。ただし、公開決定等について反対意見書が提出されているときを除く。

2 実施機関は、公開請求に対する決定について、第三者から審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をするまで、公文書の公開を停止するものとする。

(諮問の通知)

第16条 前条の規定により諮問した実施機関は、次に掲げる者に対し、諮問した旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)

(2) 公開請求者(公開請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る公開決定等について反対意見者を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第17条 公開の請求に対する決定又は公開の請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法第9条第1項の規定は適用しない。

(他の制度との調整)

第18条 この条例の規定は、他の法令等の規定により公文書の閲覧若しくは縦覧又は公文書の謄本、抄本その他の写しの交付(以下「閲覧等」という。)の手続が定められている場合における当該公文書の閲覧等については、適用しない。

2 この条例の規定は、市立図書館その他これに類する市の施設において、現に市民の利用に供することを目的として管理している図書、図画、写真等の公文書については、適用しない。

3 この条例は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)の規定が適用されないこととされた公文書については、適用しない。

(公文書の管理)

第19条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理するものとする。

第3章 情報提供等

(情報提供施策の推進)

第20条 実施機関は、情報に関する市民の要求を的確に把握するとともに、市民が市政に関する正確でわかりやすい情報を、迅速かつ容易に得られるよう、情報提供施策の推進に努めなければならない。

(制度の周知措置)

第21条 実施機関は、市民がこの条例を適正かつ有効に活用できるようにするため、この条例の目的、利用方法等について広く周知を図るよう努めなければならない。

(実施状況の公表)

第22条 市長は、毎年1回、各実施機関の公文書の公開の実施状況を取りまとめ、公表しなければならない。

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成15年12月1日から施行する。

(適用)

2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に実施機関が作成し、又は取得した行政情報について適用する。

3 前項の規定にかかわらず、この条例は、合併前の北勢町、員弁町、大安町及び藤原町から承継された公文書(合併前の北勢町情報公開条例(平成12年北勢町条例第20号)、員弁町情報公開条例(平成12年員弁町条例第21号)、大安町情報公開条例(平成13年大安町条例第12号)又は藤原町情報公開条例(平成12年藤原町条例第29号)のそれぞれの施行の日以後に実施機関が作成し、又は取得したものに限る。)について適用する。

(経過措置)

4 施行日の前日までに、合併前の北勢町情報公開条例、員弁町情報公開条例、大安町情報公開条例又は藤原町情報公開条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(いなべ市情報公開審査会委員の任期の特例)

5 平成17年3月31日までに任命した、いなべ市情報公開審査会委員の任期については、第16条第4項の規定にかかわらず、同日までとする。

(平成17年3月24日条例第2号)

(施行期日)

1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。

(平成19年3月22日条例第5号)

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(平成27年6月23日条例第13号)

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 行政庁の処分又は不作為についての不服申立てであって、この条例の施行前にされた行政庁の処分又はこの条例の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、なお従前の例による。

(平成28年3月22日条例第3号)

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。ただし、第5条の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 実施機関の処分又は不作為についての不服申立てであって、この条例の施行前にされた行政庁の処分又はこの条例の施行前にされた申請に係る実施機関の不作為に係るものについては、なお従前の例による。

(平成30年12月26日条例第18号)

(施行期日)

1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。

(令和4年12月26日条例第17号)

(施行期日)

第1条 この条例は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)附則第1条第7号に掲げる規定(同法第51条の規定に限る。)の施行の日から施行する。

いなべ市情報公開条例

平成15年12月1日 条例第8号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 市長部局/第4節 情報公開・保護等
沿革情報
平成15年12月1日 条例第8号
平成17年3月24日 条例第2号
平成19年3月22日 条例第5号
平成27年6月23日 条例第13号
平成28年3月22日 条例第3号
平成30年12月26日 条例第18号
令和4年12月26日 条例第17号