○いなべ市指定文化財の指定及びいなべ市登録文化財の登録基準

平成24年3月21日

教育委員会告示第5号

いなべ市文化財保護条例(平成15年いなべ市条例第85号)の規定により、いなべ市教育委員会が行ういなべ市指定文化財の指定及びいなべ市登録文化財の登録の基準を次のように定める。

第1 いなべ市指定文化財の指定基準

1 いなべ市指定有形文化財

(1) 建造物(建築物その他の工作物及びこれらの遺構の全部又は一部並びに建築物その他の工作物の模型、厨子ずし、仏壇等であって建築的技法によるもの。以下「建造物」という。)のうち、次のアからオまでのいずれかに該当するもの

ア 意匠的に優秀なもの

イ 技術的に優秀なもの

ウ 歴史的価値の高いもの

エ 学術的価値の高いもの

オ 流派的又は地域的特色が顕著なもの

(2) 絵画及び彫刻

次のアからオまでのいずれかに該当するもの

ア 各時代の作品のうち製作優秀で文化史上貴重なもの

イ 絵画史上又は彫刻史上意義のある資料となるもの

ウ 題材、品質、形状、技法等の点で特異性を示すもの

エ 特殊な作者、流派、地方様式等を代表する顕著なもの

オ 渡来品で文化史上意義のあるもの

(3) 工芸品

次のアからエまでのいずれかに該当するもの

ア 各時代の作品のうち製作優秀で文化史上貴重なもの

イ 工芸史上又は文化史上特に貴重なもの

ウ 形態、品質、技法、用途等が特異で意義のあるもの

エ 渡来品で工芸史上意義のあるもの

(4) 書跡類及び典籍類

次のアからオまでのいずれかに該当するもの

ア 書跡類は、宸翰しんかん、和漢名家筆跡、古筆、墨跡、法帖等で書道史上又は文化史上貴重なもの

イ 典籍類のうち写本類は、和書、漢籍、仏典及び洋書の原本又はこれに準ずる写本で文化史上貴重なもの

ウ 典籍類のうち版本類は、印刷史上意義のある資料で文化史上貴重なもの

エ 歴史的又は系統的にまとまって伝存し、学術的価値の高いもの

オ 渡来品で歴史上又は文化史上意義のあるもの

(5) 古文書類

次のアからオまでのいずれかに該当するもの

ア 歴史上重要と認められるもの

イ 日記及び記録類(絵図及び系図類を含む。)は、その原本又はこれに準ずる写本で文化史上貴重なもの

ウ 木簡、印章、金石文等は、記録性が高く学術上重要と認められるもの

エ 歴史的又は系統的にまとまって伝存し、学術的価値の高いもの

オ 渡来品で歴史上意義のあるもの

(6) 考古資料

次のア又はイのいずれかに該当するもの

ア 各時代の遺物のうち学術的価値の高いもの

イ 渡来品で歴史上意義があり、かつ、学術的価値の高いもの

(7) 歴史資料

次のアからウまでのいずれかに該当するもの

ア 政治、経済、社会、文化、科学技術等歴史上の各分野における重要な事象に関する遺品のうち学術的価値の高いもの

イ 歴史上重要な人物に関する遺品のうち学術的価値の高いもの

ウ 渡来品で歴史上意義があり、かつ、学術的価値の高いもの

2 いなべ市指定無形文化財

(1) 芸能

ア 音楽、舞踊、演劇その他の芸能のうち、次の(ア)から(ウ)までのいずれかに該当するもの

(ア) 芸術上特に価値の高いもの

(イ) 芸能史上特に重要な地位を占めるもの

(ウ) 芸術上価値が高く、又は芸能史上重要な地位を占め、かつ、地方的又は流派的特色が顕著なもの

イ アに掲げる芸能の成立又は構成上重要な要素をなす技法で特に優秀なもの

(2) 工芸技術

陶芸、染織、漆芸、金工その他の工芸技術のうち、次のアからウまでのいずれかに該当するもの

ア 芸術上特に価値の高いもの

イ 工芸史上特に重要な地位を占めるもの

ウ 芸術上価値が高く、又は工芸史上重要な地位を占め、かつ、地方的特色が顕著なもの

3 いなべ市指定有形民俗文化財

(1) 次のアからコまでに掲げる有形民俗文化財のうち、その形様、製作技法及び用法等において地域の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの

ア 衣食住に用いられるもの 衣服、装身具、飲食用具、光熱用具、家具調度、住居等

イ 生産又は生業に用いられるもの 農具、漁猟具、工匠用具、紡織用具、作業場等

ウ 交通、運輸又は通信に用いられるもの 運搬具、舟車、飛脚用具、関所等

エ 交易に用いられるもの 計算具、計量具、看板、鑑札、店舗等

オ 社会生活に用いられるもの 贈答用具、警防用具、刑罰用具、若者宿等

カ 信仰に用いられるもの 祭祀具、法会具、奉納物、偶像類、呪術用具、社祠等

キ 民俗知識に関して用いられるもの 暦類、ぼく占用具、医療具、教育施設等

ク 民俗芸能、娯楽又は遊戯に用いられるもの 衣装、道具、楽器、面、人形、玩具、舞台等

ケ 人の一生に関して用いられるもの 産育用具、冠婚葬祭用具、産屋等

コ 年中行事に用いられるもの 正月用具、節供用具、盆用具等

(2) 前号アからコまでに掲げる有形民俗文化財の収集で、その目的又は内容等が次のアからエまでのいずれかに該当し、特に重要なもの

ア 歴史的変遷を示すもの

イ 時代的特色を示すもの

ウ 地域的特色を示すもの

エ 職能の様相を示すもの

(3) 他民族に係る前2号に規定する有形民俗文化財又はその収集で、市民の生活文化との関連上特に重要なもの

4 いなべ市指定無形民俗文化財

(1) 風俗慣習のうち、次のア又はイのいずれかに該当し、その伝承上特別な教習を要する重要なもの

ア 由来、内容、形態等において地域の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの

イ 年中行事、祭礼、法会等の中で行われる行事で芸能の基盤を示すもの

(2) 民族芸能のうち、次のアからウまでのいずれかに該当し、その伝承上特別な教習を要する重要なもの

ア 芸能の発生又は成立を示すもの

イ 芸能の変遷の過程を示すもの

ウ 地域的特色を示すもの

5 いなべ市指定史跡

(1) 次のアからケまでに掲げるもののうち、その遺跡の規模、遺構、出土遺物等が本市にとって歴史的又は学術的価値の高いもの

ア 貝塚、住居跡、集落跡その他の居住に関する遺跡

イ 国郡庁跡、城館跡、防塁、古戦場その他の政治に関する遺跡

ウ 社寺の跡又は旧境内、経塚、磨崖仏その他の祭祀又は信仰に関する遺跡

エ 聖廟、郷学、私塾、文庫その他の教育学芸に関する遺跡

オ 医療施設、福祉施設、慈善施設その他の社会生活に関する遺跡

カ 関跡、一里塚、街道、条里制跡、堤防、窯跡、鋳造跡、市場跡その他の交通、土木又は産業に関する遺跡

キ 古墳、墳墓その他の埋葬に関する遺跡

ク 旧宅、園池、井泉、樹石及び由緒のある碑

ケ 外国及び外国人に関する遺跡

6 いなべ市指定名勝

(1) 次のアからケまでに掲げるもののうち、風致景観の優秀なもの、名所として価値の高いもの又は芸術上、歴史上若しくは学術的価値の高いもの

ア 公園、庭園、社寺境内、並木

イ 橋梁、築堤

ウ 花樹、花草、紅葉、緑樹等の叢生そうせいする場所

エ 鳥獣、魚虫等の生息する場所

オ 岩石、洞穴

カ 渓谷、渓流、ばく布、深淵

キ 湖沼、湿原、浮島、湧泉

ク 山岳、丘陵、高原、平原、河川

ケ 展望地点

7 いなべ市指定天然記念物

(1) 動物

次のアからオまでのいずれかに該当するもので、学術上貴重で自然を記念するもの

ア 稀有けうな動物としてその保存を必要とするもの及びその生息地

イ 自然環境における特有の動物又は動物群集

ウ 分布の特異性が著しいもの及びその生息地

エ 特有な蓄養動物

オ 特に貴重な動物の標本

(2) 植物

次のアからシまでのいずれかに該当するもので、学術上貴重で自然を記念するもの

ア 代表的名木、巨樹、老樹、奇形木、栽培植物の原木、並木及び社叢

イ 代表的原始林及び稀有けうの森林植物相

ウ 代表的高山植物帯及び特殊岩石地植物群落

エ 代表的な原野植物群落

オ 泥炭形成植物の発生する地域の代表的なもの

カ 洞穴に自生する植物群落

キ 特殊な水草類、藻類、蘚苔せんたい類、微生物等の生じる地域

ク 着生草木の著しく発生する岩石又は樹木

ケ 代表的な植物分布の地域

コ 代表的な栽培植物の自生地

サ 絶滅のおそれがある植物の自生地

シ 特に貴重な植物の標本

(3) 地質鉱物

次のアからケまでのいずれかに該当するもので、学術上貴重で自然を記念するもの

ア 岩石、鉱物及び化石の産出状態

イ 断層、地層の整合及び不整合、しゅう曲等地殻変動に関する現象

ウ 生物の働きによる地質現象

エ 地震断層など地塊運動に関する現象

オ 洞穴

カ 岩石の構造及び組織

キ 温泉及びその沈殿物

ク 風化及び浸食に関する現象

ケ 特に貴重な岩石、鉱物及び化石の標本

(4) 保護すべき天然記念物に富んだ代表的な一定の区域(天然保護区域)

第2 いなべ市登録文化財の登録基準

1 いなべ市登録有形文化財

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡類、典籍類、古文書類、考古資料又は歴史資料のうち、次のア又はイのいずれかに該当するもの。ただし、建造物についてはイに該当するもの

ア 本市又は地域の歴史、文化又は特性を理解する上で必要なもの

イ いなべ市指定有形文化財に準じる価値のあるもの

2 いなべ市登録無形文化財

(1) 音楽、舞踊、演劇その他の芸能及びこれらの芸能の成立又は構成上重要な要素をなす技法のうち、芸能の変遷又は流派的特色を理解する上で必要なもの

(2) 陶芸、染織、漆芸、金工その他の工芸技術のうち、工芸技術の変遷を理解する上で必要なもの

3 いなべ市登録有形民俗文化財

(1) 第1の3(1)のアからコまでに掲げるもののうち、地域の歴史、文化又は特性を理解する上で必要なもの

4 いなべ市登録無形民俗文化財

(1) 風俗慣習及び民俗芸能のうち、その由来、内容、形態等の点で特色があり、地域住民の基盤的な生活文化を理解する上で必要なもの

5 いなべ市登録史跡

(1) 第1の5(1)のアからケまでに掲げるもののうち、次のア又はイのいずれかに該当するもの

ア 本市又は地域の歴史、文化又は特性を理解する上で必要なもの

イ いなべ市指定史跡に準じる価値のあるもの

6 いなべ市登録名勝

(1) 第1の6(1)のアからケまでに掲げるもののうち、次のア又はイのいずれかに該当するもの

ア 本市又は地域の歴史、文化又は特性を理解する上で必要なもの

イ いなべ市指定名勝に準じる価値のあるもの

7 いなべ市登録天然記念物

(1) 動物、植物、地質鉱物及び保護すべき天然記念物に富んだ代表的な一定の区域(天然保護区域)のうち、次のア又はイのいずれかに該当するもの

ア 本市又は地域の歴史、文化又は特性を理解する上で必要なもの

イ いなべ市指定天然記念物に準じる価値のあるもの

この告示は、平成24年4月1日から施行する。

いなべ市指定文化財の指定及びいなべ市登録文化財の登録基準

平成24年3月21日 教育委員会告示第5号

(平成24年4月1日施行)

体系情報
第7編 育/第4章 文化財
沿革情報
平成24年3月21日 教育委員会告示第5号