○いなべ市成年後見制度利用支援事業実施要綱

令和6年5月28日

告示第97号

いなべ市成年後見制度利用支援事業実施要綱(令和3年いなべ市告示第105号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この要綱は、市内に居住する判断能力が十分でない認知症高齢者、知的障がい者及び精神障がい者の福祉の増進を図るために、民法(明治29年法律第89号。以下「法」という。)で定める成年後見制度の利用を促進することを目的とする。

(対象者)

第2条 この要綱における事業の対象者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 本市に住所を有する者。ただし、次に掲げる者を除く。

 介護保険法(平成9年法律第123号)第13条の規定に基づく本市以外の市町村の住所地特例対象被保険者

 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第19条の規定に基づき、本市以外の市町村が介護給付費等の支給決定を行っている者

 生活保護法(昭和25年法律第144号)第19条の規定に基づき、本市以外の市町村又は都道府県が保護を決定し、及び実施している者

 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第11条第1項の規定に基づき、本市以外の市町村が措置を決定し、及び実施している者

(2) 介護保険法第13条の規定に基づく本市の住所地特例対象被保険者

(3) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第19条の規定に基づき、本市が介護給付費等の支給決定を行っている者

(4) 生活保護法第19条の規定に基づき、本市が保護を決定し、及び実施している者(以下「生活保護受給者」という。)

(5) 老人福祉法第11条第1項の規定に基づき、本市が措置を決定し、及び実施している者

(事業内容)

第3条 この要綱における事業の内容は、次に掲げるとおりとする。

(1) 老人福祉法第32条、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2の規定に基づき市長が行う次に掲げる審判の請求(以下「市長申立て」という。)

 法第7条に規定する後見開始の審判

 法第11条に規定する保佐開始の審判

 法第13条第2項に規定する保佐人の同意権の範囲を拡張する旨の審判

 法第15条第1項に規定する補助開始の審判

 法第17条第1項に規定する補助人に同意権を付与する旨の審判

 法第876条の4第1項に規定する保佐人に代理権を付与する旨の審判

 法第876条の9第1項に規定する補助人に代理権を付与する旨の審判

(2) 前号アからまでに掲げる審判の請求(以下「審判請求」という。)に係る費用の助成

(3) 法第8条に規定する成年後見人、法第12条に規定する保佐人及び法第16条に規定する補助人(以下「成年後見人等」という。)に付与する報酬の助成

(市長申立ての申出)

第4条 市長申立てを申し出ようとする者(以下「申出者」という。)は、市長による後見開始等申立ての申出書(様式第1号)次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める書類を添えて、市長に提出しなければならない。ただし、添付書類のうち市長が提出の必要がないと認めた場合は、この限りでない。

(1) 審判の対象者の生活歴、資産等の状況 審判の対象者(以下「本人」という。)の状況等を簡潔にまとめたもの

(2) 診断書 本人の判断能力判定について医師の意見を記したもの

(3) 親族関係図 本人の配偶者及び2親等内の親族(以下「親族等」という。)の氏名、生年月日、住所及び親族関係を記したもの

(4) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認めるもの

(市長申立ての要件の審査)

第5条 市長は、市長申立てを行うか否かの判断に当たっては、次に掲げる事項を総合的に考慮するものとする。

(1) 本人の判断能力の程度

(2) 親族等の存否、親族等による本人保護の可能性及び親族等が審判の請求を行う意思の有無

(3) 保健、医療及び福祉サービスの活用による本人に対する支援策の効果

(4) その他市長が確認を必要とする事項

(市長申立ての決定)

第6条 市長は、市長申立てを行うことの適否を決定し、市長による後見開始等申立て決定(却下)通知書(様式第2号)を申出者に通知するものとする。

(市長申立ての手続)

第7条 市長は、市長申立てを行うことが適当と認めたときは、審判の請求に係る申立書及び添付書類を作成し、家庭裁判所に審判の請求を行うものとする。

2 前項に規定する審判の請求に係る申立書、添付書類、予納すべき費用その他の手続は、家庭裁判所の定めるところによるものとする。

(市長申立て費用の償還請求)

第8条 市長は、市長申立てに基づき審判が行われ、成年後見人等が選任された場合には、市長申立てに係る費用について、法第702条その他の規定に基づき、成年後見人等を通じ、本人に対して当該費用の償還を請求するものとする。ただし、本人が次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

(1) 生活保護法による保護を受けている者

(2) 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成6年法律第30号)による支援給付を受けている者

(3) 活用できる資産、貯蓄等がなく、償還請求を受けた場合、成年後見制度の利用が困難であると認められる者

(審判請求費用及び成年後見人等報酬の助成)

第9条 市長は、次の各号に掲げる者に対し、当該各号に掲げる費用の全部又は一部を助成することができる。

(1) 審判請求を行う者(以下「審判請求者」という。) 当該審判請求に係る費用(以下「審判請求費用」という。)

(2) 法第8条に規定する成年被後見人、法第12条に規定する被保佐人及び法第16条に規定する被補助人(以下「成年被後見人等」という。) 成年後見人等に付与する報酬(以下「後見人等報酬」という。)

2 前項第1号に規定する審判請求費用の助成の対象は、審判請求に係る次に掲げる費用とする。

(1) 切手購入費用

(2) 収入印紙購入費用

(3) 診断書作成費用

(4) 鑑定費用

3 第1項第2号に規定する後見人等報酬の助成対象額は、法第862条(法第876条の5第2項及び法第876条の10第1項において準用する場合を含む。)の規定による報酬付与の審判が行われた場合において、家庭裁判所が決定する報酬額とする。ただし、成年被後見人等が施設に入所している場合は月額18,000円を、施設に入所していない場合は月額28,000円を上限とする。

(審判請求費用助成の要件)

第10条 前条第1項第1号に規定する審判請求費用の助成(以下「費用助成」という。)は、成年被後見人等が次の各号のいずれかに該当する場合に行うものとする。ただし、家事事件手続法(平成23年法律第52号)第28条第2項の規定により審判請求者及び成年被後見人等以外の者に対して審判請求費用を負担すべき旨の命令があった場合の当該審判請求者及び成年被後見人等以外の者が負担することとされた審判請求費用については、この限りでない。

(1) 生活保護法による保護を受けている者

(2) 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律による支援給付を受けている者

(3) 活用できる資産、貯蓄等がなく、費用助成を受けなければ、成年後見制度の利用が困難であると認められる者

2 前項の規定についての該当性の判断の基準日は、当該審判が確定した日とする。

(審判請求費用助成の手続)

第11条 費用助成は、審判請求者に対し、助成金を交付することにより行うものとする。

(審判請求費用助成の申請)

第12条 費用助成を申請しようとする者は、いなべ市成年後見制度審判費用助成申請書(様式第3号)に次に掲げる書類を添えて、市長に提出しなければならない。

(1) 成年被後見人等の収入及び支出の状況が分かるもの

(2) 成年被後見人等の財産目録等資産状況が分かるもの

(3) 後見開始等の審判書謄本の写し

(4) 登記事項証明書の写し

(5) 審判請求費用を支払った事実が分かるもの

(6) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認めるもの

(審判請求費用助成の申請期間)

第13条 前条の規定による申請をすることができる期間は、審判が確定した日から起算して1年以内とする。

(成年後見人等報酬助成の要件)

第14条 第9条第1項第2号に規定する後見人等報酬の助成(以下「報酬助成」という。)は、成年被後見人等が次の各号のいずれかに該当し、かつ、他に成年後見人等に対する報酬を負担する者がいない場合に行うものとする。ただし、当該成年被後見人等の成年後見人等が法第725条に規定する親族である場合については、この限りでない。

(1) 生活保護法による保護を受けている者

(2) 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律による支援給付を受けている者

(3) 活用できる資産、貯蓄等がなく、報酬助成を受けなければ、後見人等報酬を支払うことができない者

2 前項の規定についての該当性の判断の基準日は、第16条の規定による申請を行う日とする。ただし、次条第2項第2号及び第3号に規定する場合の該当性の判断の基準日は、成年被後見人等の死亡の日とする。

(成年後見人等報酬助成の手続)

第15条 報酬助成は、成年被後見人等に対し、助成金を交付することにより行うものとする。

2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の報酬助成は、当該各号に掲げる者に対し、助成金を交付することにより行うものとする。

(1) 代理人が申請する場合 報酬助成の交付を受けようとする成年被後見人等の成年後見人等(保佐人及び補助人にあっては、次条の規定による報酬助成の申請及び第18条第2項の規定による助成金の交付の請求に関し代理権を付与された者に限る。)

(2) 次条の規定による申請を行う前に成年被後見人等が死亡した場合 当該成年被後見人等の成年後見人等

(3) 報酬付与の審判が成年被後見人等の死亡後に行われた場合 当該成年被後見人等の成年後見人等

(成年後見人等報酬助成の申請)

第16条 報酬助成を申請しようとする者は、いなべ市成年後見制度報酬助成申請書(様式第4号)に次に掲げる書類を添えて、市長に提出しなければならない。

(1) 成年被後見人等の収入及び支出の状況が分かるもの

(2) 成年被後見人等の財産目録等資産状況が分かるもの

(3) 成年後見人等に対する報酬付与の審判書謄本の写し

(4) 登記事項証明書の写し

(5) 現況報告書

(6) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認めるもの

(成年後見人等報酬助成の申請期間)

第17条 前条の規定による申請をすることができる期間は、報酬付与の審判が確定した日から起算して1年以内とする。

(審判請求費用助成及び成年後見人等報酬助成の決定等)

第18条 市長は、第12条又は第16条の規定による申請を受けたときは、その内容を審査の上、当該申請に係る助成の可否を決定し、費用助成についてはいなべ市成年後見制度審判費用助成決定(却下)通知書(様式第5号)により、報酬助成についてはいなべ市成年後見制度報酬助成決定(却下)通知書(様式第6号)により、当該申請をした者に通知するものとする。

2 市長は、前項の規定による費用助成又は報酬助成の決定(以下「助成決定」という。)の通知を受けた者からいなべ市成年後見制度利用支援助成金請求書(様式第7号)により当該助成決定に係る助成金の交付の請求があったときは、当該助成金を交付するものとする。

(成年後見人等の報告義務)

第19条 報酬助成を受けている者の成年後見人等は、当該報酬助成を受けている者の資産状況及び生活状況に変化があった場合には、速やかに市長に報告しなければならない。

(助成の決定の取消し)

第20条 市長は、助成決定を受けた者(以下「助成決定者」という。)次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者に係る助成決定の全部又は一部を取り消すことができる。

(1) 後見開始等の審判が取り消されたとき。

(2) 助成決定者の資産状況又は生活状況の変化により助成の理由が消滅したと認められるとき又は著しく変化したとき。

(3) 虚偽の申請その他不正の手段により助成決定を受けたとき。

(助成金の返還)

第21条 市長は、前条の規定により助成決定の全部又は一部を取り消した場合において、当該取消しに係る部分に関し、既に助成金を支給しているときは、その者に対して、当該取消しに係る部分の助成金の返還を命ずることができる。

(雑則)

第22条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 令和6年5月28日から施行する。

(経過措置)

2 この要綱の施行の日の前日までに、改正前のいなべ市成年後見制度利用支援事業実施要綱の規定によりなされた手続その他の行為は、それぞれこの要綱の相当規定によりなされたものとみなす。

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いなべ市成年後見制度利用支援事業実施要綱

令和6年5月28日 告示第97号

(令和6年5月28日施行)