○いなべ市CSIRT設置要綱
令和4年4月1日
告示第98号
(設置)
第1条 いなべ市情報セキュリティポリシーの及ぶ範囲に関わる情報セキュリティインシデント(以下「インシデント」という。)に、三重県情報政策担当課と連携し、迅速かつ適切に対応するため、インシデント対応への即応力、専門的知見、情報セキュリティ管理委員会等において迅速かつ的確な意思決定を行うために必要な情報の収集力等を具備した緊急即応チームとして、いなべ市CSIRT(以下「CSIRT」という。)を設置するものとする。
(定義)
第2条 この要綱において「情報セキュリティインシデント」とは、望まない単独若しくは一連の情報セキュリティ事象又は予期しない単独若しくは一連の情報セキュリティ事象であって、業務の遂行を危うくする確率及び情報セキュリティを脅かす確率が高いものをいう。
(役割)
第3条 CSIRTの役割は、次のとおりとする。
(1) インシデント発生時の対応
ア 検知及び連絡受付
インシデントの発生に関する予兆等の検知、発見及び内部外部からのインシデントに関わる連絡、報告等の受付を行う。
イ トリアージ
事実関係を確認の上、インシデントが発生したかどうかを検査及び分析により判断し、被害状況や影響範囲等事態の全体像を把握した上で、インシデントの処理に優先順位を付ける。
ウ インシデントレスポンス
初動対応(対応方針の検討、証拠の取得・保全・確保・記録、インシデントの封じ込め・根絶)の実施、復旧措置(暫定対策)の実施及び再発防止策(恒久対策)の検討を行う。
エ 報告及び公表
被害状況や影響範囲等に応じ、内外の関係者(最高情報セキュリティ責任者(CIO)、総務省、三重県、NISC、警察機関等)への報告及び対外的な対応(報道発表、関係住民への連絡等)を行う。
オ 事後対応
インシデントの収束宣言を行い、報告書にまとめる。
(2) 平常時の事前準備、予防等
ア インシデント発生時の対応に必要な事前準備及び予防
イ インシデントの発生を想定した訓練及び演習の定期的な実施
ウ インシデントレスポンス手順等の定期的な自己点検を実施
エ その他CSIRT責任者が定めるもの
(PoC)
第4条 インシデントについて庁内外の者からの連絡受付の役割を担う、情報セキュリティに関する統一的な窓口となるPoC(Point of Contact。ポック)(別表第1)を整備し、庁内外に周知、公表するものとする。
(対象インシデント)
第5条 CSIRTが扱うインシデントは、次のものとする。
情報システムの停止等 | 情報システム、ネットワーク、サーバ、端末等の利用に支障をきたす状態 |
外部からのサイバー攻撃 | コンピューターウイルス、不正アクセス、DoS攻撃、DDoS攻撃、標的型攻撃、ホームページ等の改ざんの発生又は発生が疑われる状態 |
盗難及び紛失 | 地方公共団体が管理する重要な情報(住民情報、企業情報、入札情報、技術情報等)の盗難、紛失又はこれらの可能性が疑われる状態(内部犯行に起因するものを含む。) |
(体制)
第6条 CSIRTの体制は、次のとおりとする。
(1) CSIRTにCSIRT責任者を置き、統括情報セキュリティ責任者をもって充てる。
(2) CSIRTはCSIRT副責任者、CSIRT管理者、インシデントハンドラー、CSIRT要員、外部委託事業者、外部の専門家等をもって構成し、その構成及び役割はCSIRT構成表(別表第2)のとおりとする。
(3) 外部委託事業者、外部の専門家等については、必要に応じてCSIRT責任者が関係機関に依頼、要請等して定めるものとする。
(4) CSIRT体制は、別図のとおり。
(庶務)
第7条 CSIRTの庶務は、情報課において処理する。
附則
この要綱は、令和4年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月29日告示第76号)
この告示は、令和6年4月1日から施行する。
別表第1(第4条関係)
PoC | いなべ市CSIRT |
所在地 | 三重県いなべ市北勢町阿下喜31番地 |
対応時間 | 平日 8時30分~17時15分 |
電話番号 | 0594―86―7744 |
FAX番号 | 0594―86―7858 |
メール | jouhou@city.inabe.mie.jp |
別表第2(第6条関係)
構成 | 担当 | 役割 | |
CSIRT責任者 | 統括情報セキュリティ責任者をもっ充てる。 | 企画部長 | インシデント対応の責任者。インシデント対応の作業を監視し評価する責任を負う。また、CISOやほかの組織などとの調整役となり、危機を打開し、チームに必要な要員・リソース・技能を確保する。 |
CSIRT副責任者 | 情報セキュリティ責任者をもって充てる。 | 各部門長 | CSIRT責任者が不在の場合に権限を引き継ぐ。 |
CSIRT管理者 | 情報システム管理者をもって充てる。 | 情報担当課長 | チームのリーダー。インシデントハンドラーの作業を調整し、インシデントハンドラーからの情報を収集し、インシデントに関する最新情報を必要な関係者に提供する。また、インシデント対応チーム全体の技術的な作業品質を監督して、その品質に最終的な責任を持つ。 |
インシデントハンドラー | 情報システム担当者の中からCSIRT責任者が指名する者 | 情報担当課長補佐 | インシデント発生時のインシデント分析及び対処法の検討、関係部署との調整を行う等、インシデントに対応するCSIRTを実務的な観点から中核として支え、対応方針を検討し、インシデントハンドリング全体に係るプロジェクトマネジメント等を行う。 |
CSIRT要員 | 情報システム担当者の中からCSIRT責任者が指名する者 | インシデントハンドラーを補助し、ともにインシデントハンドリングに当たる。 | |
外部委託事業者 | システムベンダー(開発事業者、運用・保守事業者等)、ISP、ASP、クラウド事業者等契約関係のある外部の事業者に対しCSIRT責任者が支援を依頼する者 | 検査・分析、証拠の取得・保全・確保・記録、インシデントの封じ込めと根絶、復旧措置、再発防止策の検討等に係る一部作業 | |
内部関係者 | 財政部門 | インシデントハンドリングにおける予算対応 | |
法務部門 | インシデントハンドリングにおける法的対応(契約を含む。)等 | ||
広報部門 | インシデントハンドリングにおけるマスコミ対応等 | ||
外部の専門家 | セキュリティベンダー、NISC、IPA、JPCERT/CC、警察等からCSIRT責任者が支援を要請する者 | 検査・分析、証拠の取得・保全・確保・記録、インシデントの封じ込めと根絶、復旧措置、再発防止策の検討等に係る作業 | |
その他 | 上記のほかCSIRT責任者が支援を要請等する者 | 左記にて要請等された内容 |
別図(第6条関係)