○いなべ市犯罪被害者等支援条例
令和2年9月23日
条例第20号
(目的)
第1条 この条例は、本市における犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等支援の施策の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等が受けた被害の早期の回復及び軽減に向けた取組の推進並びに犯罪被害者等を支える社会の形成を図り、もって市民が安全に、安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
(2) 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族をいう。
(3) 犯罪被害者等支援 犯罪被害者等に対する支援をいう。
(4) 民間支援団体 犯罪被害者等支援を行う民間の団体をいう。
(5) 関係機関等 国、三重県その他の地方公共団体その他の犯罪被害者等支援に関係する者をいう。
(6) 二次被害 犯罪等による直接的な被害を受けた後に、周囲の偏見や心無い言動、プライバシーの侵害、インターネットを通じて行われる誹謗中傷、報道機関等による過剰な取材等により犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、身体の不調等の被害をいう。
(7) 再被害 犯罪被害者等が当該犯罪等の加害者から再び危害を加えられることをいう。
(8) 事業者 犯罪被害者等を雇用している市内で事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(基本理念)
第3条 犯罪被害者等支援は、犯罪被害者等が個人としての尊厳を重んぜられるとともに、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利が尊重されるよう、犯罪被害者等の立場に立って適切に推進されなければならない。
2 犯罪被害者等支援は、犯罪被害者等が受けた被害、二次被害及び再被害の状況及び原因並びに犯罪被害者等が置かれている状況に応じて、適切に途切れることなく推進されなければならない。
3 犯罪被害者等支援は、市、市民、事業者及び関係機関等が相互に連携し、協力して推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、基本理念にのっとり、必要な施策を総合的に推進しなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の置かれている状況及び犯罪被害者等支援の必要性について理解を深め、犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害することのないよう十分配慮するとともに、市及び関係機関等が実施する犯罪被害者等支援のための施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等の置かれている状況及び犯罪被害者等支援の必要性について理解を深め、犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害することのないよう十分配慮するとともに、犯罪被害者等の就労の支援及び勤務に十分配慮するよう努めるものとする。
(相談及び情報の提供等)
第7条 市は、犯罪被害者等が早期に日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるよう、犯罪被害者等が直面している問題について相談に応じ、必要な情報を提供し、及び助言するとともに、関係機関等との連絡調整を図るものとする。
(精神的被害からの回復に向けた支援)
第8条 市は、犯罪被害者等が犯罪等により受けた精神的被害から早期に回復することができるよう必要な施策を実施するものとする。
(学校における教育の促進)
第9条 市は、学校と連携し、児童、生徒に対して犯罪被害者等の人権及び生命を尊重するための教育活動を実施するものとする。
(民間支援団体に対する支援)
第10条 市は、民間支援団体に対し、その活動の促進を図るため、情報の提供、助言その他の必要な施策を実施するものとする。
(広報及び啓発)
第11条 市は、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏への配慮の重要性並びに二次被害の防止について、市民及び事業者の理解を深めるよう広報及び啓発を行うものとする。
(人材の育成)
第12条 市は、犯罪被害者等支援の充実を図るため、市の職員に対し犯罪被害者等支援に関する研修を実施するとともに、資質向上のために必要な措置を講ずるものとする。
(個人情報の適切な管理)
第13条 市は、個人情報の重要性を認識し、犯罪被害者等の個人情報を適切に管理するものとする。
(委任)
第14条 この条例の施行について必要な事項は、市長が規則で定める。
附則
この条例は、令和2年10月1日から施行する。