○いなべ市建設工事監督要領
平成17年3月15日
訓令第5号
(目的)
第1条 この要領は、建設工事の円滑かつ適正な施行を確保するため、監督員(いなべ市契約規則(平成22年いなべ市規則第16号)第36条の規定に基づく建設工事の監督を行う者をいう。)の工事監督について必要な事項を定めるものとする。
(1) 指示 注文者側の発議により、監督員が受注者に対し、監督員の所掌事務に関する方針、基準、計画などを示し実施させることをいう。
(2) 承諾 受注者側の発議により受注者が監督員に報告し、監督員が了解することをいう。
(3) 協議 監督員と受注者が、対等の立場で合議することをいう。
(監督員の心得)
第3条 監督員は、上司の指揮に従うとともに、次の事項を遵守して工事の監督を行わなければならない。
(1) 設計図書(図面及び仕様書をいう。以下同じ。)に基づき工事現場の状況を常に把握すること。
(2) 施工計画書及び工程表を審査しその内容を把握しておくこと。
(3) 工事現場の保全及び管理について適宜適切な措置を講じておくこと。
(4) 国、県等行政機関と連絡を密にするとともに、地元住民との関係に留意し、紛争等が起こらないよう配慮すること。
(5) 受注者その他利害関係人に対しては、常に厳正かつ公平な態度でのぞむこと。
(工事打合せの記録)
第4条 監督員は、工事施工の状況を明らかにするため、次の事項を工事打合せ簿(様式第1号)に記載しなければならない。
(1) 受注者に対し、協議、指示及び承諾した事項
(2) 受注者の疑義に答えた事項
(3) その他の工事施工の状況を明らかにするために必要な事項
(工事の促進)
第5条 監督員は、常に工事施工の進捗状況を把握し、その工事の促進に努めなければならない。
2 監督員は、工事が遅延するおそれがあると認めるときは、その原因等を調査し、その状況を上司に報告するとともに、その原因が受注者の責によると認めるときは、受注者に対し、適切な措置を講ずるよう厳重に注意しなければならない。
(細部設計図及び原寸図)
第6条 監督員は、必要があるときは、細部設計図又は原寸図を作成して受注者に交付することができる。
2 監督員は、受注者から細部設計図又は原寸図の提出があり、これを審査して適正と認めたときは、工事打合せ簿に記載の上、承諾を与えなければならない。
(指示)
第7条 監督員は、工事の監督に当たり、次の事項については、受注者に対し工事打合せ簿に記載の上、指示を与えなければならない。ただし、軽易なものについては、口頭により指示を与えることができる。
(1) 工事の起終点、中心杭、ベンチマーク、用地買収区域等の位置
(2) 工事の区切り又は取り合わせ等施工検査を行う箇所
(3) 工事資材の試験及び検査に関すること。
(4) 立会いのうえ施工を要する箇所
(5) 立会いのうえ配合又は調合を要する材料
(6) その他工程、出来形、品質管理等適正な工事施工の確保に関し必要な事項
(設計図書と現場の不一致等)
第8条 監督員は、工事の施工に当たり次の事項が生じたときは、その対応措置について受注者に対し工事打合せ簿に記載の上、適切な指示を与えなければならない。
(1) 設計図書と現場が一致しないとき。
(2) 地盤その他外面から明視できない等で予想しなかった事態が生じたとき。
(3) 設計図書に誤り、脱落、不符合又は不明確な箇所を発見したとき。
(材料検査)
第9条 監督員は、設計書及び第7条の規定により指示された工事材料等の規格、品質及び数量について検査を行わなければならない。
2 監督員は、前項による検査の結果合格とした材料については、受注者をして刻印、仕分けその他の方法により不合格の材料と区分させなければならない。
3 第1項の規定による結果不合格とした材料については、受注者をして当該決定をした日から7日以内に工事現場から搬出させるとともに、これにより生じた不足数量を補充させなければならない。
4 監督員は、受注者から検査済工事材料の工事現場外への搬出の申出があったときは、災害復旧等特に緊急を要する公共工事の用に供する場合に限りその承諾を与えることができる。
(立会等)
第10条 監督員は、工事材料のうち、配合又は調合を要するもの、水中若しくは地下に埋設するもの及び完成後外面から明視できないものについては、その都度その配合、調合又は施工に立会うとともに、受注者にその写真を撮影させなければならない。
(施工検査)
第11条 監督員は、施工検査を行うときは、工事現場で行わなければならない。ただし、特殊な部品又は製品でその製作現場で検査を行う方が、工事施工上適当と認められるものについては、上司の指示を受けて製作現場で検査を行うことができる。
2 監督員は、指示した箇所及び主要な工事の区切り等検査に当たっては、受注者立会いのもとにこれを行わなければならない。
(破壊検査等)
第12条 監督員は、受注者が前2条の規定により立会い又は検査を受けないで工事を施工したときは、上司の指示を受け、破壊検査又はその他の方法により施工の適否を検査しなければならない。
(改造命令)
第13条 監督員は、工事の施工が設計図書に適合しないと認めたときは、完全な工事を施工させるため受注者に対し書面をもって改造を命じなければならない。
(支給品及び貸与品)
第14条 監督員は、支給品又は貸与品を受注者に引渡したときは、その都度支給品受領書、貸与品借用書等などによりその状況を明らかにしておかなければならない。この場合において、貸与品のうち重要な機械については、経験を有する技術者又は技能者にその運転及び管理に当たるよう指示しなければならない。
2 監督員は、受注者に引渡した支給品又は貸与品の保管及び使用状況を常に把握し、必要があると認めるときは、適切な措置をとらなければならない。
3 監督員は、支給品又は貸与品が不用となったときは受注者から直ちに返納させるとともに、支給品精算書、貸与品返納書等により、その状況を明らかにしておかなければならない。
(解体品及び発生材)
第15条 監督員は、工事施工に伴い解体品又は、発生材が生じたときは、その内容を明らかにした現場発生品調書を受注者から提出させるとともに、必要な措置をしなければならない。
(現場代理人の交替等)
第16条 監督員は、主任技術者、監理技術者及び専門技術者並びに労務者が、工事の施工又は管理について著しく不適当であると認め、その交替等必要な措置を講ずるよう求めようとするときは、あらかじめ市長の指示を受けるとともに、受注者に対しては、その理由を明示した書面をもって行わなければならない。
2 現場代理人の交替請求については、市長名により行わなければならない。
(報告事項)
第17条 監督員は、次の事項に該当すると認めたときは、実情を調査のうえ、市長に報告し、その指示を受けなければならない。
(1) 受注者が、正当な理由がないのに、工事に着手しないとき。
(2) 受注者が、市長の承諾なしに工事の全部又は大部分を一括して下請けさせているとき。
(3) 工事の施工に当たり、災害防止等の臨機の措置を講じることが必要なとき。ただし、その事情が急迫している場合で市長の指示を受ける暇がないときは、自らその措置を講じ、事後速やかにその状況を市長に報告しなければならない。
(4) 天災その他の理由により工事の施工が妨げられたとき。
(5) 工事の内容又は工事を変更する必要があるとき。
(6) 工事の施工を一時中止又は打ち切る必要があるとき。
(7) 工事目的物の引渡しを受ける前に工事目的物又は工事用材料に損害を生じたとき。
(8) 工事施工に当たり第三者に損害を及ぼしたとき。
(9) 工事完成前に完成部分の全部又は一部を使用しようとするとき。
(10) その他工事の適正な施工を確保するため必要な事項
(工事完成報告)
第18条 監督員は、受注者から工事完成報告書(建設工事検査規則様式第3・4号)が提出されたときは、速やかに当該工事の出来形調査を行い、完成と認めたときは、工事完成報告書に受理年月日を記載し、工事監督復命書(様式第2号)に押印の上、関係書類を添えて市長に報告しなければならない。
2 監督員は、出来形調査の結果、完成と認め難いときは、受注者に対し直ちに補修改造等の必要な措置を講ずるよう命じなければならない。
3 契約金額が20万円未満の場合は、第1項に規定する工事完成報告書について省略することができる。
(出来高部分の検査要求)
第19条 監督員は、受注者から出来高部分検査要求書(建設工事検査規則様式第5号)により検査要求を受けたときは、遅滞なく当該工事の出来高調査を行い、出来高調書、出来形管理図書等を調整し、受検手続きをしなければならない。
(書類の整備)
第20条 監督員は、常に工事施工に応じた工事施工管理等の関係書類を整理しておかなければならない。
附則
1 この要領は、平成17年4月1日から施行する。
2 この要領の施行前に締結した契約にかかる工事については、なお従前の例によることができる。
附則(平成19年3月28日訓令第2号)抄
(施行期日)
1 この訓令は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成22年6月1日訓令第10号)
この訓令は、平成22年6月1日から施行する。
附則(平成25年1月18日訓令第1号)
この訓令は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月22日訓令第4号)
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和4年3月30日訓令第2号)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。