○いなべ市水道水源保護条例

平成16年7月1日

条例第18号

(目的)

第1条 この条例は、水道法(昭和32年法律第177号。以下「法」という。)第2条第1項の規定に基づき、いなべ市(以下「市」という。)の水道にかかる水質の汚濁を防止し、清浄な水を確保するため、その水源を保護し、もって住民の生命及び健康を守ることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 水源 法第3条第8項に規定する取水施設にかかる周辺の地域で、水道の原水の取り入れにかかる区域をいう。

(2) 水源保護地域 市の水道にかかる水源の水質及び水量の保全に影響があると認められる地表水及び地下水の流域地域で、第5条第1項の規定により、いなべ市長(以下「市長」という。)が指定する区域をいう。

(3) 対象事業場 水源保護地域内の次に掲げる事業場をいう。

 ゴルフ場 総面積が10ヘクタール以上で、かつ、9以上のホールを有するものをいう。

 一般廃棄物最終処分場 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「廃棄物処理法施行令」という。)第5条第2項に規定する一般廃棄物の最終処分場をいう。

 産業廃棄物最終処分場 廃棄物処理法施行令第7条第14号に規定する産業廃棄物の最終処分場をいう。

 砕石場 水洗式破砕施設又は水洗式分離施設を設置して、岩石等を細かく砕く事業を行う場所をいう。

 残土処分場 土砂等(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物以外のものをいう。)を埋立てし、盛土し、又はたい積する事業を行う場所で、その面積が1000平方メートル以上のものをいう。

 その他 水源の水質を汚染させ、若しくは汚濁させるおそれのある事業場又は水源の水量に影響を及ぼすおそれがある事業場で、市長が別に定めたものをいう。

(4) 既設対象事業場 対象事業場のうち、市長が水源保護地域を指定した日において既に設置されている事業場をいう。

(5) 規制対象事業場 対象事業場のうち、市の水道にかかる水質の保全若しくは水量の確保ができず、又はできなくなるおそれがあるものとして、第6条第2項の規定により規制対象事業場と判定されたものをいう。

(6) 公共用水域 河川、湖沼その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路(下水道法(昭和33年法律第79号)第2条第3項に規定する公共下水道又は同条第4項に規定する流域下水道であって、同条第6項に規定する終末処理場を設置しているもの(その流域下水道に接続する公共下水道を含む。)を除く。)をいう。

(市の責務)

第3条 市は、水源の保護に必要な施策を定め、これを実施しなければならない。

(市民等の責務)

第4条 市民は、市が実施する水源の保護にかかる施策に協力しなければならない。

2 事業者は、その事業活動を行うに当たり、水源の保護に必要な措置を講ずるとともに、市が実施する水源の保護にかかる施策に協力しなければならない。

(水源保護地域の指定等)

第5条 市長は、水源の水質を保全するため、水源保護地域を指定することができる。

2 市長は、水源保護地域を指定しようとするときは、あらかじめいなべ市水道水源保護審議会(以下「審議会」という。)に諮問し、その意見を尊重して行わなければならない。

3 市長は、第1項の規定により水源保護地域を指定したときは、その旨及びその区域を直ちに告示しなければならない。

4 前2項の規定は、水源保護地域を変更し、又は解除しようとする場合について準用する。

(協議等)

第6条 水源保護地域において、対象事業場を設置しようとする者、又は既設対象事業場の施設の構造若しくは規模の変更又は事業の範囲の変更(以下「対象事業場の変更」という。)をしようとする者(以下「対象事業場設置予定者等」という。)は、事前に市長に協議しなければならない。また、関係地域の住民に対し、当該対象事業の計画及びその内容を周知させるため、説明会の開催その他の措置をとらなければならない。

2 市長は、対象事業場設置予定者等から協議の申出があった場合において、審議会の意見を聴き、当該協議の申出にかかる対象事業場を規制対象事業場と判定したときは、対象事業場設置予定者等に対し、すみやかにその旨を通知しなければならない。

(建設工事等の着手の禁止)

第7条 対象事業場設置予定者等は、規制対象事業場に該当しない旨の通知があるまでは、対象事業場の建設工事又は変更に着手してはならない。

2 市長は、対象事業場設置予定者等が前条第2項の規定及び前項の規定に違反して建設工事又は変更に着手した場合、当該建設工事又は変更の一時停止を命ずることができる。

(規制対象事業場の設置の禁止)

第8条 何人も、水源保護地域内において、規制対象事業場を設置してはならない。

(中止命令等)

第9条 市長は、前条の規定に違反して、規制対象事業場の設置のための工事に着手した者又は規制対象事業場を設置した者に対し、当該規制対象事業場の設置のための工事の中止を命じ、相当の期限を定めて原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合には、これに代わるべき措置をとることを命ずることができる。

(承継)

第10条 第6条第1項の規定による協議をした者からその協議にかかる対象事業場を譲り受け、又は借り受けた者は、当該協議をした者の地位を承継する。

2 第6条第1項の規定による協議をした者について、相続、合併又は分割(その協議にかかる対象事業場を承継させるものに限る。)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該対象事業場を承継した法人は、当該協議をした者の地位を承継する。

3 前2項の規定により地位を継承した者は、その承継があった日から30日以内に市長に届け出なければならない。

(指導等)

第11条 市長は、水源保護地域において公共用水域に汚水、廃液その他水源の水質の汚濁の原因となるものを排出するものに対し、水源の水質を保全するために必要な指導、助言及び命令をすることができる。

(報告及び検査)

第12条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、水源保護地域において対象事業場を設置している者に対し、排水処理施設等の状況、汚水等の処理方法、排出水の汚染状態その他必要な事項に関し報告を求め、又はその指定する者が対象事業場に立ち入り、排出水の汚染状態若しくは排出水に関係する施設を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする者は、立入検査員であることを示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(改善命令)

第13条 市長は、水源保護地域において対象事業場を設置している者が、対象事業場の排水口(排出水を排出する場所を言う。)において、排水基準を定める省令(昭和46年総理府令第35号)第1条に規定する排水基準に適合しない排出水を排出したとき、又は排出するおそれがあると認められるときは、その者に対し、期限を定めて、当該対象事業場の施設の構造若しくは使用方法又は汚水等の処理方法の改善を命ずることができる。

(施設の使用及び排出水の排出の一時停止命令)

第14条 市長は、対象事業場を設置している者が前条の規定による命令に従わないときは、当該対象事業場の排出水に関係する施設の使用又は排出水の排出の一時停止を命ずることができる。

(公表)

第15条 市長は、第7条若しくは第14条の規定による一時停止命令又は第9条の規定による中止命令等を行ったときは、その旨及び命令内容を公表することができる。

(水源保護協定の締結)

第16条 第6条第2項の規定により規制対象事業場に該当しない旨の通知を受けた者は、市長と水道にかかる水質の保全及び水量の確保のために必要な事項について、水源保護協定を締結しなければならない。

(広域水源保護の相互協力)

第17条 市は、広域水源保護のため必要があると認めたときは、関係地方公共団体に対し、協力を要請するものとし、関係地方公共団体から市に対し、当該協力の要請があったときは、これに応ずるものとする。

(審議会の設置等)

第18条 水源の保護を図り、水道事業を円滑に推進するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、審議会を設置する。

2 審議会は、市の水道にかかる水源の保護に関する次に掲げる事項について、調査及び審議する。

(1) 第5条第2項に規定する水源保護地域の指定(同条第4項に規定する指定の変更を含む。)にかかる意見に関すること。

(2) 第6条第2項に規定する規制対象事業場の判定にかかる意見に関すること。

(3) その他市長から諮問される水源保護に関すること。

3 審議会は、委員10人以内をもって組織する。

4 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 公益を代表する者

(2) 学識経験を有する者

(3) 前2号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者

5 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 第3項から前項までに定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が規則で定める。

(委任)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第20条 次の各号に該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

(1) 第7条第2項の規定による命令に違反して建設工事又は変更に着手した者

(2) 第9条の規定による中止の命令又は原状回復の命令若しくは措置の命令に違反した者

2 次の各号に該当する者は、50万円以下の罰金に処する。

(1) 第6条第1項の規定による協議に関し、虚偽の協議書又は添付図書を提出した者

(2) 第12条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

(3) 第14条の規定による命令に違反して、当該対象事業場の排出水に関係する施設の使用又は排出水の排出をした者

(両罰規定)

第21条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(北勢町水道水源保護条例等の廃止)

2 次に掲げる条例は、廃止する。

(1) 北勢町水道水源保護条例(平成10年北勢町条例第9号)

(2) 員弁町水道水源保護条例(平成11年員弁町条例第1号)

(3) 大安町水道水源保護条例(平成4年大安町条例第12号)

(4) 藤原町水道水源保護条例(平成10年藤原町条例第14号)

(平成19年3月22日条例第3号)

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(平成23年3月29日条例第6号)

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

いなべ市水道水源保護条例

平成16年7月1日 条例第18号

(平成23年4月1日施行)