いなべ市|情報誌「Link」2017年3月号(vol.159)
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 農業公園では、実梅の剪定は11月から1月、花梅の剪定は3月以降に行われています。 伊藤誠さんもこの剪定作業に携わっています。 「梅まつりに向けて、12月上旬からの2か月間、枝の剪定を集中的に行います。剪定用のはさみはとても丈夫で、これくらいの枝なら簡単に切れるんですよ」 伊藤さんは直径約1cmの枝をはさみで器用に切り落とします。定年後、体を動かすため始めた農業公園の仕事。仲間と共に和気あいあいと取り組んでいるそう。梅まつりでは接客も協力して行ないます。 「仕事をするなら楽しく」と話す伊藤さん。忙しいこの時期も、楽しく乗り切ろうとする姿がありました。 きれいな梅やぼたんを咲かせ、きれいな芝生を守るだけでは、リピーターの足は遠のきます。まして、新規入園者の開拓は困難です。一般の公園施設は資金を投入し、新しいお客様を開拓できます。しかし、農業公園の設立思想には合致しません。 2年前に民間委託されたのを契機に、お客様視点で「現状が良い状態か」「本当に親切な対応をしているか」などを見直しています。まつりへ ラストスパートこれからの農業公園は▲伊藤さん 農業公園指定管理者(一社)サンパークいなべの執行理事兼事務部長の水谷道夫さんからメッセージをいただきました。 その結果、自転車競技の誘致、花梅展望台やちびっこパークの新設などを行っています。これらはすべて地域の高齢者が知恵と行動力で作り上げてきました。今後は四季を通じ楽しんでいただける花木ゾーンの創設を考えています。 お客様が気の合う仲間と出会い一日を楽しく過ごせる農業公園をこれからも目指します。▲農業公園のさまざまな催し藤花源記(とうかげんき) いなべ市長 日沖 靖 平成15年、藤原町最後の広報のタイトルは藤花源記。古代中国の物語「桃花源記」をもじって名付けました。理想郷の代名詞ともなっている桃源郷を目指してまちづくりに心血を注いだ人々の姿が描かれています。その代表作が農業公園です。この地は三重用水の中里ダムの下に沈んだ深尾村の農地の代替地として始まりました。しかし、土地は痩せ、水利もなく、やっとできた農作物も獣害で荒廃し、さらに、産業廃棄物が追い討ちをかけました。その荒廃した土地を見事に再建し、桃源郷を作り出した、その立役者は地元の高齢者です。農業公園の企画から建設、運営は全て知恵の宝庫である高齢者の方々が担ってきました。今では梅と牡丹の祭りの期間中だけで約5万人が訪れる名勝となりました。さらに、今年はカメラマンのための展望台も整備していただきました。残雪をいただく藤原岳を借景に色とりどりの花の饗宴をご堪能ください。市長コラム▲梅林公園と藤原岳52017.3 Link

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