いなべ市|情報誌「Link」2016年7月号(vol.151)
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 がんには、治癒しやすいものとそうでないものがあります。 たとえば、「胃がん」は早期発見することができればほぼ100%※2治癒することが可能です。人間の構造上、治療が難しい臓器もありますが、どんながんでも、早期に見つけ出すことができれば、治癒率は大幅に上昇します。プロフィール みずの・あきら江南市出身。外科医を志し、名古屋市立大学へ入学。昭和53年名古屋市立大学大学院卒業後、東海三県の病院に赴任。名古屋市立大学医学部の講師を経て、平成12年よりいなべ総合病院へ異動。現在では、老人会などで講演も行う。名古屋市在住。67歳。がん治療は検診が鍵いなべ総合病院水野 章 名誉院長 市が実施する人間ドックの受診施設の1つであるいなべ総合病院。多くのがんを発見され、がん患者を診療されているいなべ総合病院水野章名誉院長に、がん検診の重要性を伺いました。①毎年検診を受けましょう がん検診で重要なことは二次受診を無視しないこと。がん検診を受け、要精密検査の結果が出たにも関わらず、再検査を受けない人はたくさんみえます。 早期がんは自覚症状が出ないため、がん検診などでしか発見することができません。症状がないからと言って自己判断で再検査を軽視することは絶対にやめてください。 受診したら、症状が出る前に白黒はっきりさせ、安心または早期治療につなげてください。②二次受診を無視しない死亡数は13,240人※4(同死亡率5位)となっています。乳がんについては、罹患率が高いがんですが、死亡率が2割程度と比較的治癒しやすいがんと言えます。 「罹かかりやすいがん」をいかに早く発見することが、治療の鍵となります。がん検診を受けることががん死亡数を減少させることにつながっていきます。 また、がん検診結果の有効期限は1年と言われており、毎年、検診を受けることで充分ながん対策になります。罹りかん患率が高いがん≠死亡率が高いがん 誤りです。生活習慣病の多くは食生活や毎日の気遣いなどで予防することは可能ですが、がんはある程度きちんと生活していても、罹るときは罹ります。検診を受けることが第一のがん対策です。予防できる病気は予防し、治療できる病気は治療していくことを心掛けることが大切です。 これからの人生を豊かに暮らしていくためには健康でいることが最も重要です。そのための手段の一つとして検診をうまく活用してください。健康的な生活を送っている人はがんにならない?【出典】※1 平成26年度地域保健・健康増進事業報告※2 全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率2004-2007※3 国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』※4 平成26年人口動態統計 「罹かかりやすいがん」は「死亡する確率が高い」という認識は誤りです。女性の最も罹りやすいがんは乳がんになりました。2014年における女性の乳がん罹患数予測はおよそ86,700人※3(女性罹患率1位)。これに対し、2014年における同32016.7 Link

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