いなべ市|情報誌「Link」2015年11月号(vol.143)
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 「農業を始めたのは夫がきっかけでした」 京都で大学生活を過ごし、同級生だった夫の陽一さんは長期休暇を利用して、茉莉子さんの父が経営する山田トラクターでアルバイトとして草刈りや稲刈りを手伝っていた。 大学4年生のとき「いなべで一緒に農業をやらへん?」と誘ったのは陽一さん。いなべで一緒に農業をするということはプロポーズという意味もあるので、茉莉子さんはびっくりした。 卒業後、いなべに帰って山田トラクターに二人で就職したとき、長野県出身の陽一さんと茉莉子さんを地域の人や仲間が受け入れてくれたことにとても感謝しているという。  山田トラクターが耕作する田畑は山が近いので水がきれい。米の味は育てる水が一番の決め手と話す。以前、住んでいた時は田舎だと思っていたけど、戻ってきた今、いなべの自然の良さがよくわかるという。 久しぶりに晴れた9月初旬、藤原町日内の広大な畑に二人の姿があった。この日だけで8000株のキャベツの苗を植えていく。 とにかく天気との勝負。雨のタイミングで1週間の予定を組むのも難しい。しかも、9月の初めは 稲刈りと、冬に収穫するキャベツの苗の植え付けが重なり、この時期、夜の11時まで仕事をすることも。 「仕事はすごく大変だけど、稲や野菜は成長が毎日わかるので、達成感を味わえます。農業には日々の苦労を超える魅力があるから、この先もずっと農業を続けていきたいです」 今は、新規に生産する作物で、収益をあげられるようにしようと模索しながら栽培中。農業は育てるだけでなく、販売して採算を取れるようにするまでが大変。二人の新しい挑戦はまだまだ続く。山田 茉莉子さん27歳一日一日作物の成長がわかるので、達成感が味わえます米、麦、大豆、 キャベツ ほか1.陽一さんが機械で植えた苗を茉莉子さんが丁寧に植え直す2.この日1日でトラック1台分の苗を植える3.作業はいつも二人三脚4.12月には葉がぎっしり詰まった甘いキャベツを収穫する作っています123462015.11 Link

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