いなべ市|情報誌「Link」2015年11月号(vol.143)
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 近年、全国的に耕作放棄地が問題になっています。いなべ市でも荒れた田畑を見ることがあるのではないでしょうか。  耕作をやめた農地を復旧することは容易ではありません。田畑が荒れると景観が悪くなるだけでなく、病害虫の発生や雑草の繁茂などによる周辺の田畑への影響など、さまざまな支障が生じ、地域の生活が守られないことにつながります。 その背景には人口の高齢化や農業就業者人口の減少などさまざまな理由が挙げられます。 いなべ市内でも農業を営む人の減少や高齢化の問題がありますが、今、未来を切り開く新しい活力が生まれています。 これからのいなべの農業を担っていく若い就農者を取材しました。1.8月11日に撮影した大豆畑2.3週間でこんなに大きくなる3.大豆の花4.やっと晴れた9月の週末、コシヒカリを2日間で一気に刈り取る5.作業の間に食べるという奥様の手作り弁当。午後の力の源に123453週間でこんなに伸びました!やっぱり、うまい! 片樋はまんぼ※(※水田用水確保のために、地下に横穴を掘り地下水を集めた用水。江戸時代後期に作られた)が多く分布している地区。伊藤さんも田畑にまんぼの水を使っている。まんぼの水は年中、水温が一定で農作物にとっては好条件。「片樋まんぼ保存会」が中心となって清掃を行うなど、保全活動を続けているため、安心して使用できる。伊藤さんは農業を通して片樋のいいところをもっとPRしていきたいと意欲的だ。 「1枚の田から獲れる収穫量を増やしたり、新しい作物を手掛けたりとやりたいことがたくさんあり、今は自分一人でどこまでできるかチャレンジ。さらに規模を大きくするなら、人を雇う必要があるが、自然体で考えていきたい」と話す。 いなべを離れて暮らしたから、故郷に帰って仕事ができることのありがたさを感じるという。毎年、10月の片樋の秋祭りでは、おにぎりを提供してみんなに食べてもらっている。自分が農業を行うことで地域を守ることにつなげたいと農業への思いだけでなく、地域への愛情に満ちている。大豆畑32015.11 Link

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