いなべ市|情報誌「Link」2015年10月号(vol.142)
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 展示会では、自分の作品を理解してもらうためにコミュニケーションを大切にしています、と語る柴田さん。展示会で出会った人に関心を持ってもらうきっかけとなるよう、オブジェばかりでなく、酒器など生活の中で身近なものも制作しています。 制作を始めたのは23歳の時。 最初の1、2年はオブジェだけをつくり、なかなか売れなかったそうです。しばらくして器なども作り始めた中で、柴田さんは自分が好きな機械的な印象と、器で学んだ手触りや実用性の中の美しい形とを取り入れて、タコやカエルといった有機的な生物のオブジェへと作品を進化させていきました。 これらの作品ができるまでには、長い道のりが続きます。固い銅版を火で熱し、金槌で叩いて少しずつ変形して各パーツを創るという地道な作業。その中でだんだん形が出来上がってくると、とても嬉しい気持ちになるそうです。 1つのオブジェを制作するのに、1か月から3か月かかるそうで、そのタフな情熱に驚かされます。柴田 望金属造形 員弁町に引っ越したのは、平成24年12月。薄い銅や錫(すず)などの金属板を叩いて変形し、オブジェや器、ペーパーナイフなどを生み出すアーティスト。愛知県常滑市出身。コミュニケーションを大切にしたい◀▲アトリエには金属を加工する工具がいっぱい並びます。ここから作品が次々と生み出されていきます◀これが銅版。ここから柴田さんのアートワークが始まります▲銅版を切り、粘土の模型を眺めながら、銅版を火にかけて柔らかくして、叩いていく作業が続きます。固い銅版も、この繰り返しで少しずつしなやかな生物の足が形作られていきます。オブジェができるまでは、地道な作業が続きます42015.10 Link

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