いなべ市|情報誌「Link」2015年9月号(vol.141)
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特集1 あなたらしく きみらしくおもちゃ箱や棚に写真を貼ることで、中に何をしまうか一目瞭然。お片付けの練習に役立ちそうですね。ぐちゃぐちゃになりがちなお道具箱の中も、写真のお手本を真似することで整頓しやくすくなります。時計に印をつけることで、何をいつまでにするのかが見てわかるようしています。「長い針が赤いシールのところに行ったらお片付けしようね」というように使います。 いなべ市役所(大安庁舎)には、保健師や保育士、小・中学校の教員、臨床心理士など、多くの専門家がいます。子育てで悩んだら、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。 発達支援課 78-3530パズルみたいなお片付けもうすぐ時間だよお手本があれば大丈夫自閉症の僕が跳びはねる理由いなべ市長 日沖 靖 人と会話することができない重度の自閉症者・東田直樹さんがパソコンや文字盤を使い書き上げた書籍が世界20か国以上で出版され、ベストセラーとなっています。普段、彼の口から出る言葉は奇声や雄叫び、意味のない独り言です。しかし、そんな彼からは想像できない表現豊かな文章で綴られています。 少し紹介します。 「じっとしている時も、常に僕の体は、何かに揺り動かされてるような感じがしています。・・・同じ体勢でいると、自分が自分でなくなるような不安にかられるのです。」「僕は小さい頃、いつも泣いてばかりいました。・・・昔の僕は、出口のない真っ暗なトンネルの中にいるようでした。どんなに困っていたか、悩んでいたか、誰にもわからなかったでしょう。僕の望みは、ただ抱きしめて 『大丈夫だよ』 と言ってもらうことでした。」 世の中には様々な人がいて、多様性に富んでいます。自分とは違う他人を排斥するのではなく、共感し、受け入れる度量が社会に求められているように感じます。 市長コラム「跳びはねる思考」 著:東田直樹発行:㈱イーストプレス52015.9 Link
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