いなべ市|情報誌「Link」2015年8月号(vol.140)
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出産8日目に夫に届いた赤紙服部 さみゑさん 100歳 (北勢町南中津原) 昭和19年6月、さみゑさんが娘を出産した8日目、夫利平さんに召集令状が届きました。10月末、いよいよ戦地に向かうことになった利平さんは「俺は、帰ってくるで」とさみゑさんに言い残して行ったそうです。兵士を戦地に送る船に乗務していましたが、3度目の航海の途中、昭和19年11月17日に、フィリピン沖で船が爆破され、帰らぬ人になりました。 さみゑさんは「難儀してきました。戦争はおぞいことじゃった」とゆっくりかみしめるように話しました。毎年、慰霊祭に参加されているそうです。 遺族の高齢化は年々進み、員弁地区の戦争未亡人は、20人余りになりました。 いなべ市郷土資料館は、昔、いなべの人が使っていた農具や生活の道具など、貴重な資料を収集、保存、展示しています。 3階の展示室には、いなべから戦地に向かった兵士の遺品など戦時中の様子を伝える品が展示されています。 すべて遺族や復員した兵士、その家族から提供されたもので、当時の生々しい様子がうかがえます。いなべ市郷土資料館いなべ市郷土資料館 ●住所 大安町平塚525 ●電話 78-2526 ●休館日 月、火、年末年始 ※戦争のコーナーは施錠していますので、見学の際は事務所にご連絡ください1.千人針を手にする松本覚館長。1針ずつ戦争の無事を願いながら縫い、戦地に向かう兵士にお守りとして持たせた2.当時の陸軍、海軍、赤十字などの制服を展示3.防空頭巾4.弾薬箱5.兵士が身に付けていた衣類やカバンなど1234542015.8 Link
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