いなべ市|情報誌「Link」2015年4月号(vol.136)
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42015.4 Link気がなければ禁煙はできない。 「禁煙には本人の気持ちが大事」と話す水野先生。“医者に言われたから吸わない”と“自分がやめたいから吸わない”では大きく違います。その気になった患者さんのモチベーションをいかに保つことができるかが非常に重要です。 水野先生は患者さんがこなせる小さな目標を立て、達成する度に褒めたり励ましたりします。“患者さんに対してまるで子どものように叱咤激励すること”が患者さんのやる気・勇気の向上につながると水野先生は話します。 また、患者さんには禁煙手帳を差し上げ、毎日記録をつけてもらいます。3週間ほど禁煙が続くと、日々の記録更新が楽しくなってくるそうです。InterviewProfile平成17年12月から禁煙外来担当医となった水野先生。これまでに禁煙を成功させた患者は300人以上。●水野先生が診た患者の禁煙成功率平成17~22年 77% 平成26年61%いなべ総合病院 名誉院長              水野 章 氏私も愛煙家でした。 水野先生は禁煙に成功して12年目を迎えます。禁煙のきっかけは、いなべ総合病院敷地内の全面禁煙。「肺気腫というたちの悪い病気になるのも嫌だった」と健康を意識していたこともきっかけの1つでした。 いなべ総合病院で禁煙外来の担当医をされている水野章名誉院長にタバコについてうかがいました。禁煙は心を強くする。 水野先生の診察は9週間で終了。禁煙に成功した患者さんには、認定書を授与。認定書を渡す時には、涙を浮かべて喜ぶ方もいるといいます。 「患者さんが禁煙に成功できると、私も素直に嬉しいですよ。完全に禁煙に成功した人は、自分の欲望を自分の理性の力で抑えきった人。即ち、禁煙は心をひとまわり強くするんです」と水野先生は笑顔で話しました。ルールやマナーだけでも。 水野先生は禁煙に失敗したとしても、喫煙時のルールやマナーの改善につながるような診察を心掛けています。初診では、喫煙の有害性を理解してもらうため身近な例(家族への影響、発がん性など)を挙げてタバコの怖さを説明し、ルールやマナーの改善、禁煙意欲の向上につなげています。患者さんも先生も一生懸命。 患者さんの都合に合わせて診察日を変えることもあるという水野先生。禁煙のモチベーションを保つために「私も一生懸命頑張りますから、と伝えることが必要」といいます。真摯に向き合うことで患者さんの心の支えとなります。▲水野先生が実際の診療に使っている手帳水野先生がご自身で作られた認定書▲

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