いなべ市|平成26年度 施政方針
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62014.5 Linkのパートナーを増やし支援の輪を広げます。1-3 【地域包括ケア】 団塊の世代が後期高齢者となる2025年、日本の医療は破綻し、病院のベッドは終末期の高齢者で占有され、人々は死に場所をなくすと言われています。今、85%の人は自宅ではなく、病院で亡くなります。しかも、高齢化とともに完治することが難しい慢性疾患での寝たきりや認知症が急増しています。自分らしく生き、自分らしく最期を迎えるにはどうすればよいのでしょうか?たとえ、年老いて独り暮らしとなっても、日常の困りごとはご近所の支援を受け、定期的に体を動かし、心も体も健康で元気に過ごし、あの世からお迎えが来れば、無理に生きながらえず、痛みだけ緩和して、ころりと逝く。これが理想です。 そのために高齢になっても住み続けることができる「住まい」、食事や買い物、見守りなどの「生活支援」、週に一度以上の定期的な「運動」、最期の看取りを自宅で行える「在宅医療」を充実させ、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービスの提供体制「地域包括ケアシステム」を推進しています。 特に、今年度は医療関係者と介護関係者による「多職種連携協議会」を創設し、在宅医療体制の整備に努めます。1-4 【国のモデルの介護予防】 昨年9月、健康に関心のある市長や医師、保健師などが、いなべ市に集まり、「全国公衆衛生の会」が開催されました。そこで絶賛されたのは、市民が公民館などに自主的に定期的に集い、元気づくりを身近な取組として実践していることでした。さらには、介護予防だけではなく防災や子育て支援など地域活動の担い手として、地域づくりに発展していることでした。市民を受動者から能動者に変える、それが元気づくりの究極の目的です。このシステムは、他の多くの市町村にも広まっています。さらに関心のある市町村との連携を深め、コーディネーターの養成を強化するとともに、遠くの元気な人たちとの交流が観光事業・スポーツツーリズムに発展できればと考えています。 また、国は介護保険の改正に向け、比較的症状が軽い要支援者のサービスを見直そうとしています。サービスの内容や料金を自治体の裁量とし、介護事業者だけでなく、ボランティアやNPOも担い手となるなど、地域の実情にあわせたサービスの提供を視野に入れています。そのモデル地区として平成24年度から2年間、いなべ市は厚生労働省「市町村介護予防強化推進事業」に取り組んできました。この調査結果を基に、国では新しい介護保険制度が検討されます。1-5 【障がい者の就労支援】  いなべ市は、障がい者が必要な支援を受けながら、地域で自立し積極的に社会参加できる環境整備を進めてきました。この結果、就労訓練の「アビレコ事業」は、総務省の先進事例に取り上げられ、生活訓練の「ルート事業」は、県内で唯一、いなべ市だけが実施しています。障がい者の就労支援施設「麺処はな」は、いなべの美味しい蕎麦が食べられるお店として、市内はもとより市外からのお客様で大賑わいです。 今年度はアビレコ事業とルート事業を連携させ、障がい者の生活・就労支援を強化します。ハード面では、いなべ市障害者活動支援センターに、20名の作業室とトイレを備えた350㎡の作業棟を新設します。また、障がい者の雇用の場として篠立地区に、椎茸の栽培施設を備えた「障がい者就労支援センター・きのこの森」を、合併特例債と国の「農と福祉の連携プロジェクト交付金」を活用し、平成28年度完成を目指して整備を進めます。1-6 【健康保険の健全運営】 高齢化や医療の高度化により、増え続ける国民医療費。平成23年度は前年より3%増え38兆円。毎年3%増加し健康保険財政を圧迫しています。特に国民健康保険の加入者は高齢者が多く医療費は増え続ける一方で、高齢化や加入者の所得水準の低下などにより保険料収入の増加は見込めません。全国的に国保財政の現状は厳しく、財政赤字を一般会計で補填している状況です。 このような背景を受け、国は国民健康保険の運営を都道府県に移行する方元気クラブの活動(群馬県川場村にて)平成26年度 施政方針

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