いなべ市|平成24年度 施政方針
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なべを知り、ふる里への愛着心を育む「郷育」教科書が完成し、今年度から小学校3,4年生の社会科副読本として活用し、いなべの心を育む郷育を進めます。3-7 〈学びの規模の適正化〉 児童の急激な減少が予想される小学校について、適正な学校規模の在り方が問われています。少子化と人口減少により児童数が100人未満の小学校が5校あります。複数の学年を一つの学級にまとめた複式学級は現在も西藤原小学校と立田小学校に1クラスずつありますが、5年後の小学校の全児童数は200人減少し2,400人となり、少人数クラスや複式学級がさらに増加するものと予想されます。少人数クラスや複式学級では、クラス替えができないことによる友達関係の固定化や集団生活の経験不足など様々な問題点が指摘されています。このような状況を踏まえ、学識経験者、PTA役員、学校教育代表者等で構成する小学校適正規模検討委員会を発足させ、学びの規模の適正化の議論を始めます。4 拓く力4-1 〈明日への道を拓く〉 平成17年に完成した東海環状自動車道の東回り区間は、中部のものづくりを支え地域の活力向上に大きく貢献しました。完成が遅れている西回り区間も平成32年までの全線開通が発表され、今年度は十社地区の用地の確定とインターチェンジの排水路の設計協議が予定されています。また、養老から四日市の間のどこかにパーキングエリアの建設が予定されており、市内での建設を強く要望したいと考えます。そこで、高速道路対策課を設置し、要望活動を強化するとともに、地元との設計協議を円滑に進めます。 また、市内の渋滞緩和の対策として整備を続けている市道大井田3区292号線は平成25年度、市道笠田新田坂東新田線は平成26年度の完成を目指しています。今年度の主な事業箇所は、大井田3区292号線が三岐鉄道と交差する踏切、笠田新田坂東新田線がトヨタ車体の手前に架かる橋梁の取付け部分を予定しています。これらの道路が東海環状自動車道の開通と相まって、躍動するいなべ市の新たな扉を拓くものと期待しています。4-2 〈支援により道を拓く、北勢線〉 年間230万人も運ぶ三岐鉄道北勢線。その支援について議論を進めています。北勢線は昭和6年に全線開通し、昨年80周年を迎えました。平成12年に近鉄が路線廃止を表明した後、沿線住民の強い存続要望を受け、平成15年4月から三岐鉄道が運行を引き継ぎました。運営にあたっては、桑名市、東員町そしていなべ市が10年間に渡って55億円を支援することとし、この内いなべ市は17億円、毎年1.7億円を支援しています。平成22年度の北勢線の輸送人員は227万人と昨年よりも5万人増加し、営業赤字は事業継承時から60%も縮小されているものの、なお3.6億円の赤字となり、依然厳しい経営が続いています。 北勢線への支援の契約は平成24年度で期限を迎えるため、平成25年度以降の対応を迫られています。三岐鉄道からは年間約2.5億円の支援要請が出され、北勢線を存続するには従来の半額ではありますが支援が必要となります。いなべ市としては北勢線は沿線市民の通学、通勤にはなくてはならない公共交通であり、補助をしてでも存続すべき路線と考えています。4-3 〈スポーツで子どもたちの夢を拓く〉 なでしこジャパンのサッカーワールドカップでの優勝は、日本中に希望と勇気を与えました。年明け早々には澤穂希選手がFIFA最優秀選手に選ばれ、その記者会見で「夢を子どもに与えられたことに意味がある」と語ったことは非常に印象的でした。いなべ市でもいなべ総合学園高校野球部の甲子園初出場やレスリング部の川瀬克祥君のジュニアオリンピック優勝、大安中学校柔道部の羽田野航君の全国大会5位入賞など、スポーツが夢と感動を与えてくれました。 引き続き、スポーツの振興に努めるとともに、今年度は新たにスポーツゲームズを開催します。このイベントは、子どもたちがトップアスリートらと一緒にスポーツを体験することで、スポーツの面白さ、奥深さを学ぶと共に、選手の人間的魅力で子どもたちが本気で取組むきっかけとなることを期待します。スポーツで子どもたちの夢を拓きます。4-4 〈獣害対策で農を拓く〉 野生動物による農作物の被害が深刻です。市内の有害鳥獣の生息数は、サル、イノシシ、シカだけでも数千頭と推定され、年々増加しています。いなべ市はこれまで、防護柵設置補助、追い払い用のロケット花火や爆竹の配布、猟友会によるパトロール、サルを追い払う訓練をした里守り犬の育成など、様々な獣害対策を実施してきました。また、昨年は、いなべ市情報誌リンクで「みんなもできる獣害対策講座」として半年間、6回にわたり特集を組み、市民の皆さんにも協力をお願いしてきました。 今年度は、農地に隣接する森林を伐採し緩衝帯を設けることでサルの潜伏場所が失われ、侵入防止に効果があるとされていることから、自治会や農家組合を対象に山林伐採用の資機材を貸し出し対策強化を図ります。また、牛の放牧が有害鳥獣の進入防止に効果があるとの報告があることから、その効果を検証するため宇賀地区の休耕市道笠田新田坂東新田線市道笠田新田坂東新田線プロ野球選手による野球教室プロ野球選手による野球教室かわせかつよしはだのわたる7

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