いなべ市|情報誌「Link」2017年4月号(vol.160)
6/20

書写と書道 いなべ市長 日沖 靖 皆さんご存知ですか?いなべ市は学生の書写書道の分野で、ここ20年間で21名もの日本一を輩出している英才教育の地であることを!ご指導いただいている先生方に感謝申し上げます。一般的に学校教育で求められる「文字を正しく整えて書くこと」を目的としたのが「書写」で、昔は「習字」とも呼ばれてきました。それに対し「書道」は芸術の分野に入ります。芸術とは言っても基礎基本が重要なのは言うまでもありません。 私も年に一度、筆を持ち、市民祭に展示する色紙と格闘しています。自己流で決して褒められたものではありませんが、祖父も母も書道が好きでしたので、私も下手の横好きです。しかし、硯に向かい筆を執ると自然と背筋が伸びます。慌しい日常から離れ、静かに筆を執る時を増やしたいものです。市長コラム▲市長が書した作品観て楽しもう 集中力や忍耐力が身に付くだけでなく、人と良好な関係を築くことができる「手書き」。たくさんメリットがある手書きですが、字は書くだけでなく、鑑賞して楽しむこともできます。 今回取材した、いなべ総合学園高等学校書道部の皆さんに、実際に作品を書いてもらい、次ページに掲載しました。書いてもらった作品は楷書、行書、創作の3種類です。 書道部の皆さんが書いた作品を鑑賞してもよし、紙を置いて上からなぞってもよし。はたまた、新年度に向けての想いを自由に書いてもよし。 自由欄を設けましたので、自由に使用し、字に親しむきっかけにご利用ください。 市内で書写書道を通じて、生徒たちの人間力を育むのは、北勢町奥村在住の鈴木世津子さん。 今年で書写書道学院を始めて30年を迎える鈴木さんは、字を書くことの役割を「人との絆を深めるための大切な手段」と考えています。字には心が宿り、想いが表れます。サッと書いた置き手紙の字さえも、書いた人の状況や心境を感じることができるといいます。 近年の著しいIT技術の発展に対し、鈴木さんは「日に日に字を書く機会が減ってきています」と話し、「子どもたちの遊びも1人遊びが多くなり、人と人との絆が薄くなっているように感じます」と子どもの遊び方の変化について語ります。 このような時代だからこそ、心と心の距離を縮め、人の温かさを感じることができる「手書き」を上手く活用し、コミュニケーションを図ることが大切なのかもしれません。鈴木世津子(すずきせつこ)1943年生まれ。大安町出身。高校講師の時に板書をきれいに書きたいと字の教室に通い始める。昭和63年に鈴木書写書道院を開院し現在に至る。日本書写書道検定委員会・総合師範。鈴木書写書道学院 学院長。Prole手書きの役割を伝える1.生徒からの質問に答える鈴木さん。2.指導する鈴木さん。1262017.4 Link

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る