いなべ市|情報誌「Link」2017年4月号(vol.160)
4/20

んは、教室がきっかけで友達が増え、次第に積極的になりました。また、忍耐力や集中力も身に付きました。 今年の4月から社会人になる出口さん。「手書きの字からは人の温かさを感じられる。これからも字を書くことを続けていきたい」と笑顔で話してくれました。出口さんの字に向き合う姿からは「字を書くことはなくならない」という思いが伝わってきました。  出口晴菜さん(22歳、大安町)は3歳の時、近所のお兄ちゃんが通っていた書写書道教室に憧れて通い始め、20年間字と向き合ってきました。現在は自宅で硬筆の練習をしたり、通っている教室で子どもたちの指導をしたりしています。 幼い頃は引っ込み思案だったという出口さ立田小学校の教諭として児童に字を教えている小林晃也さん(48歳、大安町)。教諭になってから、自分なりに字を美しく書けるように勉強してきたそうです。小林さんは学期ごとに、児童一人一人に名前の頭文字を使った詩を渡しています。児童とその家族にとても喜ばれるそうで、今でも続けています。 小林さんは「児童一人一人との思い出を振り返りながら、これからも頑張れよと今後の期待を込めて書いています」と話しました。受け持った児童の家族から「先生が担任になってから字を丁寧に書くようになった」と言われたこともあるそうです。小林さんの字に対する熱意が伝わっているようです。想い~日頃から字を書いている人たち~いろいろな書体 書体にはいろいろな種類があり、特徴や用途が異なります。多数ある中で楷書、行書、草書、隷れい書、篆てん書の現在の日本での使われ方を紹介します。 楷書は履歴書を書くなど、正しく伝えたい時に使われます。行書は親しみを伝えたい時、例えば親しい人への手紙を書く時などに使われることが多いです。草書は書道作品を優雅に仕上げたい時などに多く使われます。隷れい書はお札に使われたりしています。篆てん書は偽造されにくいので、実印などに多く使われます。「字を書くことは   なくならない」「読む人を   思い描いて」通っている教室で子どもからの相談に乗る出口さん児童に贈った直筆の詩一字一字丁寧に書く小林さん42017.4 Link

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る